LAST UPDATED: 2026/04/12
研究目的
私たちヒトが病気になるように、植物も病気になります。人の主食であるイネやジャガイモなどの伝染病は、これまでの人類の歴史で幾度となく飢饉やそれによる移民などを引き起こしており、ヒトや動物の伝染病と同じように大きな社会的インパクトがあります。
植物病理学は、そんな人と植物の病気との関係を取り扱う学問分野です。どうして植物は病気になるのでしょうか?植物は、どうやって病気から自分の体を守っているのでしょうか?作物の病気の発生や伝播を防ぐために、我々はどうしたらよいのでしょうか?このような疑問に答えるため、イネ科植物いもち病菌を対象とし、メンデル遺伝学から最先端の分子生物学の技術を駆使して日々研究を行っています。
現在主として取り組んでいるのは、コムギいもち病です。本病原菌は、1985年にブラジルで初確認され、その後南米の周辺諸国に伝播して大きな被害を引き起こしました。最近ではバングラデシュやインドに飛び火し、Pandemic Disease(世界的流行病)になりつつあります。本研究室では、この病原菌がどのようにして進化し出現したのかを解明するとともに、これに対抗すべくコムギいもち病抵抗性遺伝子の探索・同定と、その遺伝子の導入による抵抗性コムギ品種の育成に取り組んでいます。
研究内容
いもち病菌の寄生性分化機構の解明
病原菌はどのようにして植物に感染しているのでしょうか?また、健全な植物体はどのようにして、病原菌の侵入から身を守っているのでしょうか? 私たちは病害に強い作物の開発に繋がる分子基盤の構築を目標に、いもち病菌の寄生性分化機構に着目し、病原菌の病原性進化機構と特にムギ類が持つ抵抗性の遺伝的機構の解明に取り組んでいます。
いもち病菌(学名:Pyricularia oryzae)は様々なイネ科植物を宿主とする植物病原糸状菌(かび)です。興味深いことに、いもち病菌は特定の宿主属に対応した寄生性分化を引き起こしています(図)。例えば、イネ属植物から分離されたいもち病菌はイネに感染できる一方、他属のイネ科植物に感染することは出来ません。このような特異性を決定づける遺伝的メカニズムを解明するために、本研究室では遺伝学と分子生物学的手法を駆使して、いもち病菌のもつ病原力遺伝子の単離と植物の抵抗性を支配する抵抗性遺伝子の単離を試みています。
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『神戸大学:Research at Kobe』
コムギいもち病抵抗性育種
大規模栽培されるコムギにとって、「抵抗性育種」は最も経済的な病害防除法の一つです。ところが、出現したばかりであるコムギいもち病菌に対して抵抗性を有するコムギ品種は、ほんのわずかです。私たちは、抵抗性育種に有用な抵抗性遺伝子源の探索、及びそれら遺伝子の単離を試みています。これまでに、世界に先駆けて本研究室から5つの抵抗性遺伝子を報告しており、現在、国内外の研究機関と協力して日本や世界各国の主要コムギ品種への抵抗性遺伝子導入を進めています。
上述の遺伝子に加え、さらなる抵抗性遺伝子源を同定するため、コムギ近縁野生種であるAegilops属植物や、エンバクやイネなどの身近なイネ科栽培植物に眠るコムギいもち病抵抗性遺伝子を探索し、それらを活用するための技術開発に取り組んでいます。
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『神戸大学農学研究科:研究成果紹介』
研究業績
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新着論文(X)
研究室見学 (MSc and PhD)
当グループは神戸大学農学部生命機能科学科応用機能生物学コース/神戸大学大学院農学研究科生命機能科学専攻応用機能生物学講座の植物病理学教育研究分野に属します。募集要項は神戸大学農学部・大学院農学研究科ホームページからご確認ください。随時、グループの研究紹介を行っていますので、見学希望の学生の方は、足助までe-mailでご連絡ください。e-mail:soichiro.asuke**port.kobe-u.ac.jp (注)「**」を「@」に置換してください。
他大学からの大学院入学者も歓迎します。これまでに、静岡大学、大阪公立大学、京都府立大学、東海大学、近畿大学、龍谷大学、関西学院大学からの受入実績があります。受験前には必ずご連絡の上、見学にお越しください。応用機能生物学コースへの学部第3年次編入学を経て分属を希望される場合も、事前にご連絡ください。
アクセス
研究室:自然科学総合研究棟2号館(建物番号69番)5階 516室
隣の建物(自然科学総合研究棟1号館; 建物番号70番)と渡り廊下で繋がっています。
1号館の出入り口から建物内へ入り、エレベーターをご利用ください。
〒657-8501 神戸市灘区六甲台町1-1
神戸大学大学院農学研究科 生命機能科学専攻
応用機能生物学講座 植物病理学研究室
TEL & FAX : 078-803-6540