研究内容
①「Proximity Labeling」を用いた抗体医薬の創薬や診断法の開発
Proximity Labelingは、ある生体内の分子と相互作用している分子群を標識して解析・同定する技術である。
参照: https://en.wikipedia.org/wiki/Proximity_labeling
小谷らは、2008年にProximity Labelingの草分け的な技術であるEMARS(Enzyme-mediated activation of radical sources)という細胞膜上相互作用分子標識法を開発した。
このEMARS法を利用して、抗体医薬創薬、がん診断法の新規開発を行っている。
②「Proximity Labeling」を用いたパンデミックウイルス受容体・感染関連分子の同定
COVID-19は世界中の人々にとって真の脅威であり、SARS-CoV-2とその変異株、ひいては今後出現が予見されるパンデミックウイルスの生物学的特徴を理解することは、人類へのウイルスの脅威を軽減するために不可欠である。ウイルスの宿主細胞への侵入に寄与する宿主細胞側の感染関連分子(特にウイルス(共)受容体タンパク質)の解析は、ウイルス感染制御に役立つ重要な手がかりを提供すると考えられる。本研究では、最近注目されているProximity Labelingを利用して、SARS-CoV-2スパイクタンパク質と宿主細胞膜との結合部位近傍に存在する宿主細胞感染関連分子候補を同定する技術を開発した。本法は、当該ウイルスのスパイクタンパク質とその宿主細胞があれば実施可能であり、SARS-CoV-2ウイルスの変異株やその他のウイルスにも応用可能であると推測され、今後のパンデミックウイルスに対する感染関連分子の迅速同定に寄与できる可能性がある。
©2022 Saitama Medical School Medical Research Center