「宇宙」と「医学」。一見すると全く無関係に思えるこの2つが交わるとき、まだ誰も見たことのない医療の最前線が広がります。
宇宙医学とは、一部の宇宙飛行士だけのものではありません。宇宙空間という極限状態での人間の心身を研究することは、回り回って地球に生きる「すべての人々の健康」へとつながる、地上と宇宙を結ぶ懸け橋となる学問なのです。
通常、医学は「心臓外科」や「神経内科」といったように「人間のどの部位を診るか」で分類されます。
一方、宇宙医学は「人間をどんな環境に置くか(宇宙空間で人体はどう振る舞うか)」という全く異なる切り口から人体に迫る分野です。
宇宙空間における人体の三大ストレスがこちらです。
足の筋肉はどうなるのか? 血液は地上と同じように流れるのか? 細胞レベルで人間は重力をどう感知しているのか? 宇宙医学は、こうした「当たり前」を根本から問い直します。
「自分は宇宙に行かないから関係ない」というのは大きな誤解です。宇宙医学の研究は、そのまま私たちの地上の生活、そして未来の医療へと直結しています。
微小重力下での急激な骨量・筋肉量の低下を防ぐ研究は、地上の高齢化社会における老化予防に直結します。
宇宙ステーション(ISS)という限られた空間用に開発されたコンパクトな測定機器は、地上の救急医療や災害医療で活躍します。
医師が常に隣にいない宇宙での健康管理技術は、過疎地などでの遠隔医療を飛躍的に進化させます。
宇宙旅行が当たり前になる未来。家族連れや高齢者が宇宙へ行く時代になれば、必ず「宇宙空間での日常的な医療行為」が必要になります。
宇宙医学には、まだ決まった体系が完全に出来上がっているわけではありません。あらゆる専門性を持った人々が参入し、オープンイノベーションを起こせる「未開拓のブルーオーシャン」です。
全く新しい医療の形がここから生まれることに、ワクワクしませんか?