『Reminiscence』

2017年12月10日(日)閃華の刻 18 -年納- ・月下美刃 4 発行

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【表紙の話】はこちら。

2015年にネタを思い付いてからずっと「描きたい」と言いつつ「(自分が)めちゃくちゃ萌えるネタ思い付いたけど漫画描きたいけどこんなもん(画力表現力的に)描けねーよばーかばーか!!」と思って放り投げていたネタです。

2015年にネタが出来て、ネームの約半分は2016年に終わっていて、2017年の頭辺りからちまちま修正と描き足しをして、10月に入って漸くペン入れを始め、2017年12月に本になったという長期熟成品でした。

2017年になって漸く「何とか描けるかも知れない、描ける気がする、多分今なら描ける(自己暗示)」とか思い立って形になりました。全然完璧じゃないです。

もう、自分の頭の中の理想の絵にもトーン処理にも全然遠いんですよ。でも、2015年に「絶対無理描けない」って思ったものに2017年に挑戦して、完璧でなくても形に出来たという事は、多分成長してはいるんだと思います。ナメクジなりに。

とにかく描きたい様に描きました。

不親切かつポエミーな感じなのは相変わらずなので、それは最早自分のお家芸だと開き直る事にして諸々に関する補足は本の中ではしていません。

「描いていない部分はご想像にお任せします。その後とかハピエンルートとかお好きに妄想してあげて下さい。三次創作大歓迎ですよ!とか言っておきます。」とこの本が新刊だったイベントで無配したペーパーに書きましたが、2019年の今現在になってもそれは変わらず。

(ネタバレという程でもない「描いた人の中ではこういう設定でした」という話は一番最後にしようと思います)


この本で白黒本文を完全にコミスタ一本に戻しました。(正確に言うとこれの一つ前にコミスタリハビリで描いた『俺とお前と芋けんぴ』からですが)

ずっとSAIでペン入れ⇒コミスタで仕上げ、という作業をしていたんですが、やっぱりソフト複数行き来するより一本でやる方が楽だなと!

コミスタでペン入れをするのは三年近くブランクがあってリハビリにかなりてこずりましたし、トーン設定や処理は沢山悩みながら仕上げたので、今までの漫画より少しでも読みやすくなっていれば良いなと祈るばかりです。

私は自分の超面倒くさがりな性格を熟知しているので、よくみかんば本編8割9割フル装備(通常衣装)でこんな長い漫画描いたな!って自分を褒めています。頑張ったと思います。当社比。


リミニ近さんは完全ストレートヘアの黒ツヤベタだけにしたんですが、描いている時に手癖が出ない様にするのが苦労しました。(普段私が三日月さんを描く時はクセっ毛気味のモフ髪でベタ+トーンなので)と言いながら時々クセっ毛気味になってるのは御愛嬌です。

あと、ニコニコでれでれ(*^^*)こんな顔してる三日月さんばっかり描いているので、この話は表情も感情抑えめだったり真顔だったり結構珍しい感じです。いつもの絵を知っている方はその辺もお楽しみ頂けるかなと思いつつ。


---ここから「描いた人の中ではこういう設定でした」の話---

『椿』三篇(冒頭・中盤・最後)は態と時系列を分断しています。

描いた人の設定的には「始まり」は『4時間』です。「終わり」は『欠片』。

実を言えば、この話は『欠片』でブツリと終わっています。

その後どうなったのか、また出逢えたのか、逢えないのか、それは読み手任せです。

描いた人的には、どちらもありだと思っています。

時系列的には『4時間』の後、彼らが本丸で過ごした日々があり、『椿』があり、また暫く本丸での日々があり、鈴の音と共に黒い狐が現れて本編になります。

黒い狐はゲーム内で演練のアイコンにいる黒こんのすけ。白いノーマルこんのすけが審神者をサポートして本丸を「始める・動かす」狐、黒こんのすけは「終焉」を知らせるためだけに本丸に訪れる狐、という設定です。

(なので、本編的にはまんばちゃんは黒を見たのは初めて。三日月さんはもう何度も見ているし、黒い狐が来たらその本丸が「終わり」な事を知っています)

「始まり」である『4時間』を「終わり」である『欠片』の後に持って来たのは、この話が三日月さんにとって「始まりと終わり」の『繰り返し(エンドレスエンド)』である事と、読み手によってこの『4時間』が「新しい始まり(ハピエンルートの開始)」と思えれば、それはそれでまた違った形でこの話を楽しんで貰えるかなと思ったからです。

『4時間』が「始まり」だという話はペーパーにも書いていなかったし、壁打ち垢でポロッと1度言っただけなので、この話にご感想を下さった方は『4時間』を「新しい始まり」と受け取った方が多くて、みかんばちゃんの幸せを願う気持ちをひしひしと感じました……。笑

イメソンの話も巻末で少ししていますが、KinKi の『キミハカルマ』だけでも歌詞検索してみて下さい、是非。そうすると少しハピエンも見えて来るかも知れません。


とうすてのほととぎすが上演される前にこの本が発行出来て良かったと心から思います。

例え内容が駄々被りでなくても、あちこち自分の中で描きたいイメージが被ってしまって、先にほととぎすが上演されていたら私はこの話を永遠にお蔵入りにしていました。そんな話です。