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『糾いの禍福、七宝煌きて』

<寄稿/表紙>新書サイズ

2018年5月3日(木祝)超閃華の刻 2018

水無月さんの所のみかんばちゃん小説表紙です。

和風ファンタジー系鬼ネタ『桜花、紫雲の如く』・『紅緋に降る降る、花の瑠璃』から続いて3作目。

今回も新書サイズで縦長。

1作目は続き絵・2作目は表裏別々で、今回はまた続き絵で描かせて頂きました。狙って交互にした訳ではなくて、思い付いた構図がたまたま続き絵だっただけなんですが。

表紙側がお約束で三日月さんとまんばちゃん。シリーズ設定的にまんばちゃんは長髪です。

裏表紙側が本編中でゲストキャラ的に出て来る子供時代の三日月さんとまんばちゃん、それからキーアイテム(?)的な謎の樹。

本文(校正前)の上がりが早くて、今回も校正前本文を全部読んでから表紙・裏表紙を描いてます。

本文と合わせて全体的にしっとりした雰囲気にしました。

■ラフ・表紙/裏表紙

全体構図はラフ一発で決まりました。第二稿での修正は三日月さんの服装が普段着 兼 お仕事着 な狩衣から寛ぎモードのシンプルな着物になったのと、背幅分に絵を入れたいという事だったので、背表紙分の横幅を足した状態に合わせて配置を少し調節したぐらいです。

繋ぎ絵にしつつ表紙=今現在・裏表紙=過去編+キーアイテム、という形で分けています。

本文を読んだ後にやっと裏表紙側の絵の意味が判るというか。

この表紙に関しては漫画の単行本カバー(表紙絵+裏表紙にイラストカットとあらすじ紹介が入る、みたいな)デザインをイメージして構図を切ったので、もしこれが個人誌だったら裏表紙側に絵に被せてあらすじ紹介枠が入っていたと思います。

人様の本なのでそこまで好き放題は流石にやっていません。笑

背景は全体をしっとり系でまとめようと決めて、本編のラストシーンで「光る樹」が湖に現れる事と、暗めの背景の方が光の玉の表現が使いやすかった事、それから今回は星空の表現が使える事から星空と夜の湖で青黒系。

月を黄色系にするとちょっと色がうるさくなりそうだったので(メインで入るまんばちゃんの頭が黄色いので)青白い月の光にしています。

①~③は色が決まっていなかったので下地を塗ったところでお伺いを立てました。水無月さんの作品は『拘りがあるもの』に関しては描写が細かいので、本文内で色の指定が入っている場合は服の色は本文内からそのまま取って来ます。
逆に本文内に記載がないものは「何色がいい?」と訊くと「考えてなかった」という返事が来たりするので、その場合は改めて希望を出して貰ったり、この色どう?って打診してみたりです。

青白い感じのフィルタをかけて仕上げています。少しふわっとさせた感じ。

■完成・表紙/裏表紙

背幅部分で分断される本になった状態(表紙・裏表紙を別々に見る状態)で、表紙側には光の玉が入り込まない様にしています。あと、水面の波紋的なのも表紙側でははっきり見えない程度で。

過去編で三日月さんの生家が機織り屋さんだというのが判明したので、「反物抱えてるの可愛いかな!」と思って。実際(布屋さんとか行くと実物持ったり出来るんですけど)反物って結構重いので、子供の身体で何本も抱えたら重かろうな……と思いつつ絵面重視で3本抱えて貰いました。きっとお家の手伝いとかしてるからこれくらいは危なげなく持てると思います。みたいな気持ち。

幼少期三日月さんの足元に帯的な布を敷いたのは「道」です。過去編の主軸が三日月さんの成長を追うターンだったので、三日月さんがここから大きくなるまで続いて行く「道」。

幼少期まんばちゃんは最後の最後でちらっと出なので、最初構図を考えた時はいなかったんですが、大きくなってからとは系統の違う警戒心強めの布っ子だったのと、表紙・裏表紙で三日月さんとまんばちゃんそれぞれの大←→小で対比になったら面白いかなと思って追加しました。

本文をよく読むと、過去編で出て来る幼少期の三日月さんの狩衣は金房がない+恐らく狩衣の柄も違うんですが……私が校正前本文を読んだ時そこに気付かなかった(普段通りの格好でミニ版だと思い込んでいたので)のと、ラフを出した時や途中の確認の時に水無月さんからの訂正も入らなかったので、結局そのままになっています。本として出来上がって来た時に読み直して「あれ……?」ってなったんですよね。申し訳ない。


校正前本文を貰って読み始めた最初の方(その時、表紙のイメージはまだ出ていなかったんですが)裏表紙に小烏丸が出て来る予定でした。あと今剣ちゃん。

小烏丸は最初の登場シーンや過去編の開始地点的に、結構重要なポジションになるキャラかと思っていたので……脳内で構図考え始めた時はいたんですね、裏表紙側に。読み進めてみたら特に重要なポジションではなかったので、最終的に描いた構図ラフにはいません。

今剣ちゃんに関しては、本編中でナビゲーター的なポジションに立つので描きたい気持ちはあったんですが、小烏丸がいる脳内案を没にして表紙側と裏表紙側を改めて考えた時点でこれは居ない方がいいな、ゴメンネ、という感じで。

本文冒頭辺りで名前や容姿の描写がなく出て来た小間物屋の店主(オリジナルキャラ)を、口調的に最初兼さんかと思っていたという笑い話もあったりします。私は深読みや行間読みが大好きな人間なので、そこまで複雑に深く練り込まれていない話を読む時でもこういうミスリードが脳内発生しがちで、その所為で「読みながら考えていた構図が読み終わる頃には完全没になる」というのはよくあります……。笑