画像特徴量に基づく金属温度推定

2024/04/25作成:佐々木雄貴(博士課程前期2年 情報学専攻)

 現在研究の背景まで書いています。研究紹介の内容を少しずつ書いていきます。

図1. 構造材料の破断の様子

時間経過によって左→右→真ん中の順で破損が進んでいく

図2. 析出物の例

研究紹介

背景

構造材料の余寿命予測の必要性

発電所、輸送機器、橋梁など、さまざまなインフラには構造材料が広く使われています。図1は火力発電所内で扱われる構造材料であり、時間経過により破損が進んでいきます。この破損を事前に防ぐためにも、構造材料の余寿命予測が必要になります。余寿命予測には、金属の温度、応力、動作時間に関する知識が必要です。しかし、実際の現場では、構造材料が耐えられる正確な温度がわからないことが多く、余寿命予測には温度推定が必要になります。 

析出物による温度推定

図2は構造材料組織を光学顕微鏡で撮影した画像を表しています。金属が曝されている温度、応力、動作時間により、赤丸で囲った析出物が現れます。鋼材の専門家はこの析出物を観察し、金属が曝されていた温度を推定し、余寿命を判断しています。しかし、この析出物の専門家による検出作業は時間がかかり負担が大きいことが課題となっています。 

研究概要図