私の研究テーマは、「生命は宇宙にどれほど普遍的に存在するのか」という根源的な問いに、太陽系外惑星の観測から迫ることです。地球のような環境を持つ惑星がどれほど存在するのか、そして、そのような惑星がどのように形成されるのかを、観測データに基づいて定量的に明らかにすることを目指しています。そのためには、個々の惑星の特異性だけではなく、惑星集団全体の統計的性質を捉えることが不可欠だと考えています。
具体的には、以下の三点を軸として、観測データに基づく系外惑星人口統計と、その背後にある物理過程の解明に取り組んでいます。(それぞれリンク先に飛ぶことができます)
系外惑星人口統計✖️恒星/惑星物理量
恒星の年齢・質量・金属量などと惑星存在頻度の関係を、観測データに基づいて統計的かつ定量的に推定する。
参考論文:Miyazaki & Masuda (2023)
マイクロレンズで探る冷たい惑星・浮遊惑星
未だによくわかっていない、主星から離れた冷たい系外惑星や褐色矮星・浮遊惑星の分布を、マイクロレンズ観測から探査する。
参考論文:Miyazaki et al. (2020), Miyazaki et al. (2018)
データ科学に立脚した解析基盤の構築
高性能並列計算に特化したGPUや自動微分・ベイズ統計といったデータ科学の基盤技術を活用し、大規模サーベイ・高精度データに対する解析基盤を構築する。
参考論文:Miyazaki & Kawahara (2025)
(例:自動微分可能かつGPU並列計算可能な重力マイクロレンズモデリングコード microJAX )
今後は、地上望遠鏡および Nancy Grace Roman 宇宙望遠鏡などから得られる多様な観測データを総合的に解析し、惑星系の形成頻度・構造・時間進化を定量化することで、太陽系や地球が惑星系の中でどの程度典型的なのか、あるいは特異な存在なのかを、天文学的な見地から明らかにすることを目指しています。
(最近は系外惑星大気の特徴づけにも興味があります)
太陽系外惑星の分布図(発見手法毎に色分けされている)。縦軸が惑星質量(地球質量単位)、横軸が軌道長半径(天文単位)を示しており、太陽系内の惑星の位置も写真で図示されている。これまでに5000個以上の系外惑星が発見されてきたが、その大半が主星に近い「熱い惑星」である。我々の太陽系に属しているような惑星の分布は未だによくわかっておらず、太陽系やとりわけ地球のような惑星の普遍性は未解明のままである。
銀河系内における系外惑星の分布図(発見手法毎に色分け)。左側の系外惑星の発見が集中する部分がおおよそ太陽系の位置になっており、視線速度法(緑色)やトランジット法(黄色)の検出が顕著である。マイクロレンズ法で検出された惑星系は銀河系の中心方向(右方向)に集中しており、他の手法に比べて様々な距離の惑星系を発見することができる。