研究内容
色素体分化と脂質
色素体分化と脂質
膜脂質の合成は色素体の構造を作り出すために不可欠です。
色素体が分化するうえで,脂質の果たす役割は膜構造の形成だけではありません。これまでに,膜脂質が膜を形作るだけでなく,色素合成や光合成,遺伝子発現のプロセスなどを支える多様な機能を持つことを見出しています。
生化学や分子生物学の方法を駆使し,色素体脂質が持つ未知の機能を探索します。
色素体の遺伝子発現
色素体の遺伝子発現
色素体は独自のゲノムDNAをもっています。色素体DNAはタンパク質とともに染色体状の構造「核様体」を形成します。核様体は色素体独自の遺伝子発現の装置です。
核様体の構造は色素体の分化とともにダイナミックに変化します。この構造変化は遺伝子発現と関係している可能性がありますが,詳細な制御機構は多くが謎に包まれたままです。
顕微鏡解析や情報科学の力を使い,色素体DNAの構造と機能の関係性に迫ります。特に,色素体DNAや転写装置と膜との相互作用に着目して研究を進めています。
学術変革研究領域(B) プラスチド相転換ダイナミクス
研究分担者として参加しています。詳しくはこちら
主要な手法
主要な手法
遺伝子組換えによる遺伝子機能の改変
遺伝子発現解析(リアルタイムPCR,ウエスタンブロット等)
ゲノムワイドなDNA-タンパク質相互作用解析(ChIP-seq)
バイオインフォマティクスによるゲノム構造・機能の解析
脂質分析・色素分析(GC・HPLC・分光学解析等)
顕微鏡解析(共焦点レーザー蛍光顕微鏡)
タンパク質間相互作用解析(ChIP)(予定)
その他,有効な手法は随時取り入れていきます。
共同研究も積極的に進めたいと思っています。