制度の目的: 職場環境の改善を促進し、求職者に運転者としての就職を促すこと。
対象事業者: トラック、バス、タクシー事業者。
取組みの可視化: 事業者の取組みを明確にし、人材確保を支援する。
制度の概要: 「見える化」を通じて、職場環境改善に向けた取組みを評価する制度。
「働きやすい職場認証制度」の認証を受けるためのステップは以下の通りです:
申請準備: 事業者は、法令遵守、労働時間・休日、心身の健康、安心・安定、多様な人材の確保・育成、自主性・先進性の6分野について基本的な取組要件を満たしていることを確認します。
申請書類の準備: 必要な申請書類を準備し、自認書や提出書類を含む審査申込書を作成します。
申請手続き: 国土交通省の指定を受けた認証実施団体に申請書類を提出し、審査料と登録料を支払います。
審査: 認証実施団体が申請内容を審査し、認証項目について評価します。
認証の取得: 審査を通過した事業者は認証を取得し、認証マークの表示や求職者とのマッチング支援などのインセンティブを受けることができます。
詳細なスケジュールや料金については、公式ホームページや国土交通省のウェブサイトで確認することができます。また、認証取得に向けた具体的なアドバイスやコツを提供する資料も入手可能です。
「働きやすい職場認証制度」の認証を受けた企業のリストは、以下の通りです:
令和5年度認証事業者: 認証を受けた事業者は合計878社で、その内訳は「一つ星」が628社、「二つ星」が206社、「三つ星」が44社となっています。
認証事業者数(令和6年4月5日時点): トラック事業者は2,502社、バス事業者は339社、タクシー事業者は894社で、総計3,735社が認証を受けています。
詳細なリストや各企業の情報については、国土交通省の公式ホームページや認証実施団体のウェブサイトで確認することができます。また、認証を受けた企業を検索する機能も提供されていますので、そちらを利用すると便利です。
特定技能制度の導入: 2019年4月に開始された制度で、高齢化による人手不足を補うために専門性と技能を持つ外国人を受け入れることを目的としています。
自動車運送業への適用: 2024年3月29日の閣議決定により、自動車運送業が特定技能制度に追加され、トラック、バス、タクシーの3区分に分けられています。
受入れ上限: 制度開始から5年間で自動車運送業分野の1号特定技能外国人の受入れ上限は24,500人とされています。
若年ドライバーの確保: 20代の免許取得者数が減少しているため、外国人ドライバーの採用が不可欠となっています。特定技能外国人のうち、10代・20代は61%、30代は35%を占めています。
全分野共通の概要: 特定技能制度は、即戦力となる専門性・技能を有した外国人を受け入れる目的で設立されました。特定技能1号の在留期限は5年間で、2号は無期限です。各分野ごとに1号の受け入れ人数の上限が設定されています。
義務的・任意的支援: 1号特定技能外国人を雇用する場合、職業生活上・日常生活上・社会生活上の支援計画の作成・実施が義務付けられています。支援は「義務的支援」と「任意的支援」に分けられます。
登録支援機関への支援委託: 登録支援機関に支援を委託することが可能で、特定の実績を満たさない場合は支援委託が必須となります。
採用プロセス: 採用にあたっては、所属機関(企業)に関する要件、外国人に関する要件、雇用形態・契約内容に関する要件があります。また、国籍による手続きの違いや宗教等に対する配慮が必要です。
特定技能「自動車運送業」の受け入れ要件には、以下のような条件が含まれています:
事業所の要件:
特定技能を受け入れる事業所は、日本標準産業分類に掲げる産業のうち、道路旅客運送業または道路貨物運送業を行っていること。
運転者職場環境良好度認証制度に基づく認証または安全性優良事業所(いわゆるGマーク)の保有。
外国人の要件:
特定技能1号評価試験に合格していること。
適切な運転免許証の取得。
一定レベル以上の日本語能力(例:JLPT N4以上)。
支援体制の要件:
新任運転者研修の実施(タクシー運送業及びバス運送業の場合)。
国土交通省が設置する「自動車運送業分野特定技能協議会」の構成員になること。
これらの要件は、特定技能外国人を受け入れるために事業者が満たすべき基本的な条件を示しており、適切な受け入れ体制の確保と高い水準の職場環境の提供を目指しています。詳細な情報や最新の更新については、出入国在留管理庁の運用要領や関連する公式資料を参照してください。
上記「1.事業所の要件」の中で赤字で示したように、特定技能「自動車運送業」で外国人労働者を受け入れようとする企業は、運転者職場環境良好度認証制度に基づく認証または安全性優良事業所(いわゆるGマーク)の保有が求められます。
これらの認証を受けていることは対外的な信用度が向上することはもちろんですが、人手不足が深刻な自動車運送業において、外国人労働者を採用できるという具体的かつ明確なメリットになるといえるでしょう。
いかがでしたでしょうか。
運転者職場環境良好度認証(働きやすい職場認証)や安全性優良事業所(Gマーク)の取得が、昨今厳しくなっているコンプライアンスに対応するのみならず、自動車運送業の経営者様を悩ませる人手不足を解消する一助となるものであることがお判りいただけたかと思います。
特定技能外国人の採用を検討中、あるいは今後検討する可能性のある自動車運送業者様にとっては非常に関連の深いものであり、また有益な制度です。
ご相談は、しらぬひ行政書士事務所まで、お気軽にお声掛けください。