明日の日本を支える観光ビジョンにもあるとおり、かつての保護を叫ぶ時代から、理解促進を通じた保全へと課題解決のステージがシフトしています。
白神山地は1993年に遺産登録され早4半期世紀を越えました。その間、各エリアは観光と保全の両立のため、様々な積み重ねをしてまいりましたが、現在関係者の隙間に課題が落ち込み、顕在化している状況です。
白神山地では知見を蓄積し当事者意識をもって解決にあたる体制がこれまで不十分であり、一つのエリアとして力強く課題突破できない状況が続いておりました。また当初懸念されたオーバーツーリズムによる自然への負荷が増すこと以上に、基礎自治体では人口減少による担い手不足に悩まされています。
その真因として、方向をあわせた白神山地エリアの人材育成プログラムの不在と捉えています。私たちが目指すところは、関わる方々が変わり続けても、確かな方向性をもって、白神に保全とビジネスを両立させるエコツーリズムを根付かせ、絶え間なく取り組む人々をつくることです。
当協議会では人材育成の観点からツーリズム関係者に、白神山地の価値を問い、エコツーリズムの可能性を模索、再調整する場として、白神ミーティングを開催していきます。開催においては広く当代一線級の講師陣を招聘し、世界レベルの遺産を伝える矜持を共に育てていきたいと考えています。
令和元年