新英研分科会
日目 11:10-14:50)

 新英研分科会日目 ①11:10-12:30 ②13:30-14:50)  ☆研究、実践の興味・関心に沿った授業づくりを学び合う場です!

分科会小学校・中学入門期

①「奈良の学習法」で奈良のしかについて学ぶ外国語学習

朝倉慶子 奈良・小

レポート概要:

奈良女子大学附属小学校では「奈良の学習法」に基づき、児童が自律的・主体的に「個」の学びを生み出す学習を実践してきた。外国語においても子どもが自らの興味や生活経験から生じた問題を解決をすることのできる学習を目指している。今回は担任として関わってきた小学2年の子どもと「奈良のしか」と人々との関わりを考える中で子どもが主体的に外国人観光客にインタビューしたり、外国語でポスターを作ったりする姿が見られた。

②小学校英語の30年~総合から教科化ICTの活用まで~

大西 惠美子 三重・小

レポート概要:  

小学校に国際理解教育の形で英語が導入され、週1回の外国語活動が続いた後、中学年で外国語活動・高学年で教科としての外国語科が始まり、今年で4年目を迎える。この30年の小学校英語の歩みを、教室から振り返る。また、近年、GIGAスク―ル構想の下、一人1台のタブレット端末環境が整ってきた。外国語教育におけるICTの様々な活用実践や、オーストラリアの小学校との交流を通しての児童や教師の学びや変容を報告する。

分科会教科書・(自主)教材と読み取り

①心を動かす授業づくり~折句の詩・100人村ワークショップ~

藤本文香 東京・中

レポート概要:

教科書が新しくなった年,初めて中学3年生を担当しました。平和,環境問題,ITなどの社会的な話題を生徒たちが自分ごととして捉え,教科書で学んだことを豊かな自己表現につなげられるように,試行錯誤しながら授業づくりに取り組んだ1年でした。昨年度の東京新英研の例会で反響をいただいた,「世界がもし100人の村だったら」の体験型授業,および折句を用いた詩の生徒作品を中心に,この年の実践をご紹介します。

苦手な読解指導改造プロジェクト:中間報告

斉藤貴子 埼玉・高 

レポート概要:

行き詰まったときは次の成長へのチャンスだ とつくづく思う。5年ほど高校3年生の読解指導に携わってきた。苦手な読解指導への工夫を重ねながら、生徒の参加を促すには教師の教材分析とそれに基づく対話が大切なのだと気づいた。しかし、今年度は5年ぶりの1年生で、改めて行き詰まりを感じている。プリントからノートに切り替えて、自分の読解指導を模索中である。定年まであと4年。苦手な読解指導に工夫を重ねていきたい。

分科会文法・語彙の指導

①記号付けによる読解とコミュニケーション

菅野眞至 宮城・高

レポート概要:

指導困難校での指導で悩み、暗中模索していたところ出会ったのが元岐阜大学教授 寺島隆吉先生の「記号づけ」による読解の指導でした。「記号づけ」は奥が深く、単に記号をつけて読んでいく「作業」だと捉える先生も少なくありません。しかし、記号づけには英語を読むだけでなく、コミュニケーションの改善や集団生活力を向上することもできたのです。今回はそんな「記号づけ」の実践を紹介していきたいと思います。

②生徒の表現・読解を支える語彙・文法指導とは?

尾張 至伸 青森・中   

レポート概要:

単語がわからない→文法がわからない→教科書本文が理解できないと三重苦の生徒のために、どうすれば英語がわかるようになるのか。その助けとなったのは、ある程度の単語のインプットと文法指導である。ワードマラソンや25問テストをベースに、今年度はその単語の広がりを持たせる活動も取り入れた。文法指導では、生徒が知っている語彙や表現を使った導入を心がけた。生徒が自己表現や教科書本文を読めるようになった取組みをご紹介!

分科会自己表現・音声によるコミュニケーション

①「英語を学び理由」を求めて 中学1年生劇発表の実践

新井雄大 埼玉・中

レポート概要:

「なんで英語勉強するの?」英語の教員であれば誰しも一度は聞かれたことのある質問ではないだろうか。外国語の学習は(衣食住のような)生きるために必須のものではない。しかし,外国語を通して見える世界や物事の切り取り方,考え方などは母語のそれとは大きく異なり,私たちに新しい景色や驚きを与えてくれる。分科会では,物語の和訳から劇発表への過程を通じて生徒たちの中に生まれた認識や思考の変化について報告する。

②自分の言葉で伝えること,聴くこと

川村(三田)詩織 大阪・高

レポート概要:

 自分の意見をしっかりと持ち、対話ができる人に…そんな想いを持ちながら授業づくりをしています。高校2年生を対象にレッスンのまとめに行った、生徒たちが自分の言葉で伝えることと、聴き手の姿勢を育むことを目標とした実践について発表します。本当に伝えたいことを伝える喜びや、クラスメイトの言葉で心が動く様子など、生徒たちが教えてくれたたくさんのことをお伝えしたいと思います。

分科会学力と評価

①教科書の内容を元につなぐ遠隔地との交流事始め

清水弥生・武田千絵 山口・高

レポート概要:

コロナ禍の「マスク装着・前方へのみ発言する授業」をする中、ZOOMで遠隔地の学校と交流しました。生徒たちの食べ物やサッカー選手の話は、簡単なフレーズの応酬なのに、文化の違いを実感する方向に発展。相手の流暢な語学力に感動。「外国の人と話したい。」という生徒たちの要望に応えるという単純な発想から始まり、コミュニケーションの力=「学力」という実感を得るまでの経過と展望をZOOMという船に乗せます。では、船上で!

②機械じゃない!一人じゃない!仲間と一緒に英語音読劇

大口雅也 北海道・中

レポート概要:

すごく反応の薄い中学1年生。一年間、手を替え品を替え色々と変えてみたが、反応は薄いまま。たどり着いた方策はReaders Theatre(英語音読劇)でした。あのおとなしい子がジェス チャーをつけて、声は10倍!あの英語嫌いが英語を話している!仲間の力を借りて、子どもたちは大きくジャンプ!Readers Theatreは仲間と一緒にどのような感情で言っているか考えて「読んで」、仲間の声を「聞いて」、自分の声で「話す」ことをいっぺんに楽しめる方法です。

分科会仲間と学ぶ協同学習

①学校だからこそできる学びを〜つながりを目指して〜

本田孝子 石川・元中

レポート概要:

コロナ禍でオンライン授業が日常化しつつあった現場で、学校で学ぶ意義について考えることが多くなった。また、小学校で英語を学び、聞くこと話すことに慣れて進学してくる中学1年生の多くがつまずく英語を「書く」ということにどう向き合うかについても悩んでいた。学校でしかできない学びをつながりのある授業をつくることに見い出し、生徒どうしがつながり合う授業を「クラスメートを紹介する」という英文を書くタスクの中で実践した。

②協同で読みを深める授業を目指して~和訳の一歩先へ~

玉木志乃 埼玉・中高

レポート概要:

高校3年生の目標は「英語を通して新しい世界に出会い,自分の考えを豊かにしていくこと」です。授業では協同で文章を読み,訳した後,「作者の伝えたいことは何か」「何を読み取るのか」を話し合う時間を多く取っています。生徒たちは、それぞれの解釈や意見を出し合い、時には英文に戻りつつ学びを進めています。その結果、教材の内容を深くとらえることができるようになってきました。そうした1年間の実践について報告します。

分科会遅れがちな子どもとともに

①みんなで自分の思いをスピーチに~苦手な生徒にも寄り添いながら~

菊池敦子 東京・中

レポート概要:

子供たちは教科書の単元ごとに様々な文法を学習していきます。その知識・技能を使って、自分のことを表現して初めて英語を使う喜びを感じられるのだと考えています。そこで、学習の到達度を確認する定期考査ごとにピーチを設定し、クラスみんなが自信をもってスピーチができるように準備・練習を重ねています。スピーチまでの流れや生徒が作った原稿やスライド、発表本番や振り返りを紹介いたします。その中で、遅れがちな生徒に「どのように声をかけアプローチしたか」についてお伝えします。

②非進学校の専門性とは

小川 弘義 新潟・高 


レポート概要:

「四技能」が強調され英語力を数値で表す傾向が強いですが、資格試験など可視化できる目標がクリアできなければ、そのためのスキル定着がなければ英語学習の価値はないのでしょうか。残念ながら非進学校(いわゆる困難校)ではそれらは期待できません。ですが、母語を活用して生徒の感性に働きかけつつ、自己表現や物語の読み取り等を行いながら、四技能では測れない学習の価値は何だろうかと試行錯誤した実践を紹介します。

分科会:平和・環境・人権・SDGs(の教育)に取り組む

①英語で平和学習 「知る・学ぶ」から「伝える」へ

吉村千恵 福岡・中

レポート概要:

本レポートは、教科書で平和を扱った課において、単元のゴールとして古賀野々華さんのスピーチを視聴し、英語で平和メッセージを書く実践についてまとめたものです。古賀さんはスピーチで、自分の意見をしっかりと主張すると共に、相手の立場や歴史を十分に理解し、尊重しています。彼女の姿から、平和への想いを一方的に発信するのではなく、相手のことを尊重した上で発信する力を生徒たちに身につけてほしいと願います。

②「サダコプロジェクト 平和の折り鶴」〜知って考え、発信する〜

赤荻 さやか 栃木・中

レポート概要:

ロシアによるウクライナ侵攻が進む中、平和について考える機会を持ちたいとの気持ちからNew Crown3の”Mother’s Lullaby”の学習後、サダコ真珠湾平和の折り鶴プロジェクトを実施しました。アリゾナ記念館でサダコさんの折り鶴の展示がどのような意味を持つのか、原爆投下前後の経緯を学ぶことにより、生徒と共に平和への考えを深め、得られたものを発表していきます。