おすすめ
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ここでは私のおすすめの参考書・(理系)映画・その他いろいろを紹介していきます。
おすすめの参考書
量子力学
(引用 https://m.media-amazon.com/images/I/71UM+gKTAtL.jpg)
量子力学
著者 砂川重信
出版 岩波書店
価格 4600円+税
難易度(完全に主観です) ★★★★★★☆☆☆☆
コメント
私が初めて買った量子力学の本です。基礎だけでなく散乱の一般論、多粒子系の理論、量子電磁力学など様々なトピックをカバーしています。学部生の頃はこの本を常にリュックに入れて持ち運んでいましたが、今は研究室の本棚に置いてあるので持ち運ばないで済むようになりました(笑)。難しすぎず簡単すぎないので、一通り量子力学を学んだ後の2冊目ぐらいがちょうどいいかと思います。
(引用 https://m.media-amazon.com/images/I/611LaiHvLGS.jpg)
入門 現代の量子力学 ~量子情報・量子測定を中心として~
著者 堀田昌寛
出版 講談社
価格 3000円+税
難易度(完全に主観です) ★★★★☆☆☆☆☆☆
コメント
最近Twitterで話題になっていたのでつい買ってしまいました。量子情報・量子測定などをメインに取り上げている参考書で、まさに現代的な量子力学の教科書です。私はまだ途中までしか読めていませんが、雰囲気が従来の参考書と違って面白いと思います!
場の理論
(引用 https://m.media-amazon.com/images/I/414XF+C6zgL._SX354_BO1,204,203,200_.jpg)
場の量子論 ~不変性と自由場を中心にして~
著者 坂本眞人
出版 裳華房
価格 5300円+税
難易度(完全に主観です) ★★★★★☆☆☆☆☆
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場の量子論の入門に相応しい参考書だと思います。相対論的力学・相対論的量子力学の導入からから始まり、場の理論を学ぶのに必要な知識を本全体の半分を使って丁寧に説明されています。後半では場の量子化について豊富な議論を交えながら説明されています。なんといってもこの本の素晴らしいところは練習問題が充実していることだと思います。問題の解答も本自体と同じくらいのボリュームで用意されており、計算でつまずくことはほとんどありません。解答は裳華房のホームページからダウンロードできます。ゼミの準備でこの本にかなり助けてもらっています。
熱力学・統計力学
(引用 https://m.media-amazon.com/images/I/513NcTkih3L._SX349_BO1,204,203,200_.jpg)
熱の理論 ~お熱いのはお好き~
著者 太田浩一
出版 共立出版
価格 3500円+税
難易度(完全に主観です) ★★★☆☆☆☆☆☆☆
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熱力学のトピックを幅広く取り上げた参考書です。全体的に文章よりも数式が多く、計算力を身につけたい人に特におすすめです。特に後半では、相対論的熱力学、膨張する宇宙、ブラックホールの熱力学など魅力的なトピックが集まっています。計算過程を丁寧に解説してくれているので、あまり難易度は高くなく、快適に読み進められます。
(引用 https://m.media-amazon.com/images/I/51oHdjnKtnL._SX350_BO1,204,203,200_.jpg)
非平衡系の統計力学
著者 北原和夫
出版 岩波書店
価格 4200円+税
難易度(完全に主観です) ★★★★★☆☆☆☆☆
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最近の私のマイブームである非平衡統計力学の参考書です。計算を追うのが大変な所がいくつかありますが、内容的には非常に充実しており、とても良い参考書だと思います。大学院のゼミでは、この本を参考にさせて頂いています。
電磁気学
準備中
特殊・一般相対性理論
準備中
物理数学
準備中
素粒子・ハドロン・原子核物理学
(引用 https://m.media-amazon.com/images/I/514j1MJpBBL._SX348_BO1,204,203,200_.jpg)
グリフィス素粒子物理学
著者 デイビッド. J. グリフィス (花垣和則, 波場直之 訳)
出版 丸善出版
価格 7600円+税
難易度(完全に主観です) ★★★★☆☆☆☆☆☆
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素粒子物理学の入門に相応しい参考書だと思います。前半では、歴史的な背景から始まり、特殊相対論、対称性、ファインマンルールなどについてわかりやすく解説されています。後半では、量子電磁気学、量子色力学、ニュートリノ振動に至るまで幅広く取り上げられており、素粒子物理学の全体像を掴むのに最適だと思います。計算はあまり多くなく、お話的な内容が多い参考書なので難易度はあまり高くありません。(この本は私が書店で見つけて一目惚れして買ったもので、学部生の頃から持っていました。)
クォークグルーオンプラズマ
(引用 https://hondana-image.s3.amazonaws.com/book/image/10005440/normal_74379187-7b38-433e-8737-d05b117913f7.jpg)
クォーク・グルーオン・プラズマの物理
著者 秋葉康之
出版 共立出版
価格 2000円+税
難易度(完全に主観です) ★★☆☆☆☆☆☆☆☆
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クォーク・グルーオン・プラズマ関連の研究をしている人であれば、誰もが読んだことがあるであろう参考書です。分野の入門書として最適で、今でもこの本に助けられることがあります。私は、研究室の配属が決まった時点で新宿御苑のベンチで三日かけて読破しました(笑)。余談ですが、最近行われた国際学会に参加した際、夕食時にこの本の著者である秋葉さんの隣に座らさせて頂きました。分野の歴史などについて秋葉さんに直々に解説して頂き、とても貴重な時間が過ごせました!
(引用 https://m.media-amazon.com/images/I/413Fp5ca04L._SX348_BO1,204,203,200_.jpg)
Quark-Gluon Plasma
著者 K.Yagi, T.Hatsuda, Y.Miake
出版 Cambridge University Press
価格 -
難易度(完全に主観です) ★★★★★★★★☆☆
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クォーク・グルーオン・プラズマ関連の分野におけるバイブルとも言える参考書です。QGPの基礎的な物理から、高エネルギー原子核衝突反応におけるQGP、宇宙物理学におけるQGPについても詳しく数式を交えて解説されています。最初から全て読むというよりは、分からないことがあったらこの本で調べるという辞書的な使い方をするのがいいかと思います。
一般向け
(引用 https://m.media-amazon.com/images/I/514bUNQjVcL._SY291_BO1,204,203,200_QL40_ML2_.jpg)
これが物理学だ! ~マサチューセッツ工科大学「感動」講義~
著者 ウォルター・ルーウィン
出版 文藝春秋
価格 1980円+税
難易度(完全に主観です) ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
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日常に潜む物理から宇宙物理まで、様々なトピックを取り上げ数式を使わずに明解に解説されています。私が「物理の面白い話をして」と頼まれたら、間違いなくこの本から得た知識を話すでしょう。これを読めば、物理の美しさと面白さをわかってもらえると思います。物理の本ですが一般向けに書いてあるので非常に読みやすく、小説を読んでいるぐらいの感覚で読み進められます。
おすすめの(理系)映画
(引用 https://filmarks.com/movies/59552)
博士と彼女のセオリー (2015)
監督 ジェームズ・マーシュ
出演者 エディ・レッドメイン、フェリシティ・ジョーンズ、他
あらすじ
世界的に有名な「車椅子の天才」スティーブン・ホーキング博士の半生を描いた実話。物語は彼の大学院生時代から始まります。長年連れ添った妻との出会い、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の発症、余命宣言など、波瀾万丈な人生を通して彼はどのように偉大な業績を残したのか...
感想
この映画は私が最もおすすめしたい映画です。見終わった後iTunes Storeで即購入するほどです。ストーリー、BGM、どれも素晴らしいですが特にエディ・レッドメインの演技は圧巻でした。ラストシーンは涙腺崩壊です。映画内にも出てきますが、彼が執筆した書籍「A BRIEF HISTORY OF TIME」は一般向けに書かれたものでとても読みやすく面白いです(日本語版も出版されています)。ぜひ読んでみてください。天才になった気分になれるので、この映画のBGMを聴きながら研究をしていることが多いです。実は、修士論文での数式を導出している時はほとんどこの映画のBGMを聴いていました(笑)。
(引用 https://m.media-amazon.com/images/I/51EPZT7PXEL._AC_.jpg)
星に想いを (1994)
監督 フレッド・スケピシ
出演者 メグ・ライアン、ティム・ロビンス、他
あらすじ
自動車修理工の主人公エドは、車の修理に訪れたキャサリンに一目惚れをする。キャサリンの家にエドが訪れたところ、家から出てきたのはなんとアインシュタインだった...。キャサリンはアインシュタインの姪だったのだ!二人を結びつけようと、アインシュタインをはじめとする世界的な物理学者たちが奮闘するロマンティックコメディ。
感想
1994年はメグ・ライアン、ティム・ロビンスの人気絶頂期です。ティム・ロビンスが出演している有名な「ショーシャンクの空に」と同じ年の映画です。各所に物理ネタが散りばめられており、物理学者同士の会話もユーモアがあって面白いです。アインシュタインはこんな人だったのかな?と想像が膨らみます。メグ・ライアン最高です。
(引用 https://d2ueuvlup6lbue.cloudfront.net/variants/production/store/fitpad/260/364/xfx0qu8fchkmmw0s75m6y5ub3e38/25310.jpg)
イミテーション・ゲーム (2015)
監督 モルテン・ティルドゥム
出演者 ベネディクト・カンバーバッチ、キーラナイトレイ、他
あらすじ
第二次世界大戦時、ドイツ軍が誇る世界最高の暗号機「エニグマ」の解読に成功した天才数学者アラン・チューリングの伝記的映画。物語は1951年、警察官がチューリングの自宅を捜査する所から始まります。チューリングへの取り調べが進んでいくうちに、彼が第二次世界大戦中に行った驚愕の事実が明るみになっていく...。
感想
コンピュータ科学の父とも言われるアラン・チューリングの生涯を「孤独・苦悩」などテーマとして描かれた作品で、全体的に少し暗い印象があります。チューリング自身だけでなく、当時のイギリスに存在した社会問題について認識させてくれるとてもメッセージ性の強い作品だと思います。この映画もBGMがとても良く、たまに作業中に聴きます。
(引用https://m.media-amazon.com/images/S/pv-target-images/86e0f0f3f80c8534dda4385b7123ab4b155d9889839c9e19f0bdc68d5c6f3c65.jpg)
イミテーション・ゲーム (2002)
監督 ロン・ハワード
出演者 ラッセル・クロウ、ジェニファー・コネリー、他
あらすじ
ノーベル経済学書を受賞した数学者ジョン・ナッシュの半生を描く伝記映画。プリンストン大学院の数学科に入学したナッシュは変人扱いされながら研究に没頭し、やがてゲーム理論を発見するなど功績を残すようになる。愛する女性と幸せな毎日を送っていたが、国防省からソ連の暗号解読という極秘任務を受け、次第に精神のバランスを崩していく...。
感想
ノーベル賞を受賞するような学者でも、その人生は必ずしも輝かしいものではないということがよくわかりました。統合失調症と戦いながらも妻や友人たちに支えられ、幸せを取り戻してく場面はとても感動的でした。映画のラストシーンに出てくる「ペン・セレモニー」がカッコ良すぎて自分で良いペンをを衝動買いしてしまいました(笑)。
(引用 https://theriver.jp/wp-content/uploads/2023/05/maxresdefault.jpg)
OPPENHEIMER (2023)
監督 クリストファー・ノーラン
出演者 キリアン・マーフィー、マット・デイモン、他
あらすじ
第二次世界大戦下で原子爆弾の開発を目的とした「マンハッタン計画」を主導した物理学者ロバート・オッペンハイマーの半生に基づく実話。人類史上初の核実験「トリニティ実験」に至る緊張のドラマが描かれる。人類史上最悪の惨劇を招いた原子爆弾の開発が、緊張感と期待をもって進められていく様子が描かれる。「世界はこの日を記憶することだろう」とオッペンハイマーが力強く語れば、アメリカ国旗を振って歓喜する群衆の様子が映し出される。「この仕事で、人類史上かつてない平和がもたらされるんだ」とのセリフとは対照的に、獣のような爆炎の映像が禍々しく差し込まれる。入り組んだ複雑なプロットと共に、エモーショナルで大胆なドラマを描く重厚な作品で知られるノーラン待望の最新作は、日本の観客にとっても緊張感高い原子爆弾の開発がテーマ。主演のキリアン・マーフィーは本作の脚本を史上最高の出来だと絶賛し、「心から驚き、感銘を受けると思う」と語っている。本作でノーランは、「歴史上最も重大な出来事」に観客を連れて行くと宣言している(https://theriver.jp/oppenheimer-new-trailer/ より一部引用)。
感想
映画全体を通して、第二次世界大戦下の緊張感がよく描かれていたと思います。ほとんど会話を通してストーリーが進んでいきますので、当時のアメリカの時代背景を少し勉強しておくと理解しやすくなると思います。原爆投下前と投下後の世界の様子の違いや、オッペンハイマーの心境や細かく描かれており、とても考えさせられる作品でした。