第四十五號

特集「六古窯中世2019年9月


◇作品解説


この作品も、先の「No.47」と同年に制作されたもので、『ヴィトリーヌ No.50 静かな昇天』(1955,DIC川村記念美術館蔵)というタイトルが付されています。それまで本シリーズでは、主に複数の「面」の重なり合いによって独特の視覚効果(微細なゆらぎ)を生み出していました。しかしこの作品では、「線」による細かな描写が試みられています。そこに描かれているのは、空中に浮かぶヘリコプターです。一貫して「重力に抗う」ことを追求し続けてきた山口ならではの、軽やかな浮遊感が感じられる作品です。



―― 誌面上にも、山﨑均氏の寄稿による作品解説が掲載されています。