第三十四號

特集「間」 2014年3月


◇作品解説


「間」というのは、日本文化に根ざした非常に抽象的な概念です。一義的には時間や空間の「ある空白部分」を指しているのですが、そこには決して「何もない」のではなく、捉えどころのない「間」それ自体が存在していると解釈されます。1950年代、山口は前衛芸術家集団「実験工房」の中心メンバーの一人として活躍しました。彼らは世界に先駆けてインターメディアの試みを実践したことで知られていますが、この「インターメディア」という概念にも、「間」に通じる独特の考え方を発見することができます。