第三十二號

特集「祭り」 2013年3月


表紙について


世界中どこへ行っても、春夜を通して人びとはお祭りに弾ける。非日常の出来事に酔いしれる。



◇作品解説


「Festa」という表記から、おそらくイタリア・ヴェネチアのフェスティバルの描写だと考えられます。3つの顔のようなものが描かれていますが、これはフェスティバルで使用される仮面を模したものではないでしょうか。2011年制作の『三陸レクイエム』のインスタレーション版の展示では、自身が撮影した古いヴェネチアの風景映像(白黒)が組み合わされ使用されました。このことから分かるように、山口はヴェネチアに対する何らかのこだわりを持っています。1968年には世界最大規模の国際美術展「第34回ヴェネチア・ビエンナーレ」(1968)の日本代表に選出され、そこで3点の立体造形作品を発表していますが、その際に現地で見聞きした様々な体験が、永く記憶に残っていたのかもしれません。