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研究分野
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魚類生理学・比較内分泌学
魚類生理学・比較内分泌学
主な研究テーマ
主な研究テーマ
「脊椎動物の体液調節機構とそれを支配する内分泌系の多様性・進化」
「脊椎動物の体液調節機構とそれを支配する内分泌系の多様性・進化」
生命誕生から40億年、今やあらゆる環境に生物が暮らしています。日々刻々と変化する自然環境の中でも安定した生命活動を営むため、生物は、体内環境を常に一定に保つ＝体内の恒常性（ホメオスタシス）を維持するしくみを発達させてきました。多細胞生物の体はいくつものパーツがあって複雑な構造をしていますが、どうしたらこんなことが可能なのでしょうか？私は体内の水とイオンのバランス（体液ホメオスタシス）を維持するしくみとそれを制御するホルモン系に興味を持ち、こうした分子機構の起源と進化に迫るべく、魚類を用いて研究を行っています。
生命誕生から40億年、今やあらゆる環境に生物が暮らしています。日々刻々と変化する自然環境の中でも安定した生命活動を営むため、生物は、体内環境を常に一定に保つ＝体内の恒常性（ホメオスタシス）を維持するしくみを発達させてきました。多細胞生物の体はいくつものパーツがあって複雑な構造をしていますが、どうしたらこんなことが可能なのでしょうか？私は体内の水とイオンのバランス（体液ホメオスタシス）を維持するしくみとそれを制御するホルモン系に興味を持ち、こうした分子機構の起源と進化に迫るべく、魚類を用いて研究を行っています。
最近の研究
最近の研究
「世界初！サメから下垂体ホルモン"プロラクチン"を発見」
「世界初！サメから下垂体ホルモン"プロラクチン"を発見」
プロラクチンは脳の下垂体から分泌されるホルモンです。その機能は繁殖や細胞増殖の促進など、重要かつ多岐にわたりますが、特に硬骨魚類では淡水中での体液調節に必須のホルモンとして知られています。このプロラクチン、脊椎動物の進化のかなり早い段階で出現したと考えられてきましたが、そのタイミングは謎でした。私は現生の顎口類（顎がある脊椎動物）の中で最初期に分岐した軟骨魚類（サメやエイの仲間）から、世界で初めてプロラクチンを発見しました(Yamaguchi et al., 2015)。また研究の過程で、これまで同じものとされてきた魚類と四肢動物のプロラクチンが、実はそれぞれ異なる遺伝子であることが分かりました。原因は両生類での遺伝子重複で、カエルやサンショウウオは今でも2種類のプロラクチン遺伝子を持っています。こうした分子進化学的な知見に加え、今後は軟骨魚類プロラクチンの機能や、魚類型と四肢動物型の違いなど、プロラクチンの機能進化が注目されます。
プロラクチンは脳の下垂体から分泌されるホルモンです。その機能は繁殖や細胞増殖の促進など、重要かつ多岐にわたりますが、特に硬骨魚類では淡水中での体液調節に必須のホルモンとして知られています。このプロラクチン、脊椎動物の進化のかなり早い段階で出現したと考えられてきましたが、そのタイミングは謎でした。私は現生の顎口類（顎がある脊椎動物）の中で最初期に分岐した軟骨魚類（サメやエイの仲間）から、世界で初めてプロラクチンを発見しました(Yamaguchi et al., 2015)。また研究の過程で、これまで同じものとされてきた魚類と四肢動物のプロラクチンが、実はそれぞれ異なる遺伝子であることが分かりました。原因は両生類での遺伝子重複で、カエルやサンショウウオは今でも2種類のプロラクチン遺伝子を持っています。こうした分子進化学的な知見に加え、今後は軟骨魚類プロラクチンの機能や、魚類型と四肢動物型の違いなど、プロラクチンの機能進化が注目されます。
主要な研究業績 (5編以内)
主要な研究業績 (5編以内)
Y Yamaguchi, S Moriyama, DT Lerner, EG Grau, AP Seale (2016) Autocrine positive feedback regulation of prolactin release from tilapia prolactin cells and its modulation by extracellular osmolality. Endocrinology 157:3505-3516.
Y Yamaguchi, W Takagi, S Kuraku, S Moriyama, JD Bell, AP Seale, DT Lerner, EG Grau, S Hyodo (2015) Discovery of conventional prolactin from the holocephalan elephant fish, Callorhinchus milii. Gen Comp Endocrinol 224:216-227.
B P Moorman, M Inokuchi, Y Yamaguchi, DT Lerner, EG Grau, AP Seale (2014) The osmoregulatory effects of rearing Mozambique tilapia in a tidally changing salinity. Gen Comp Endocrinol 207:94-102.
Y Yamaguchi, H Kaiya, N Konno, E Iwata, M Miyazato, M Uchiyama, JD Bell, T Toop, JA Donald, S Brenner, B Venkatesh, S Hyodo (2012) The fifth neurohypophysial hormone receptor is structurally related to the V2-type receptor but functionally similar to V1-type receptors. Gen Comp Endocrinol 178:519-528.
Y Yamaguchi, S Takaki, S Hyodo (2009) Subcellular distribution of urea transporter in the collecting tubule of shark kidney is dependent on environmental salinity. J Exp Zool A Ecol Genet Physiol 311:705-718.
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