「意訳」
威風堂堂と錦の御旗(みはた)を押し立て、官軍は関東に進み、その勢いは関(かん)八州を圧している。江戸百万人の庶民の死と生が危ぶまれるとき、西郷と勝は談笑のうちに江戸城を明け渡す和議を結んだ。
物事を見極められない人人には、二人の考える天下の謀(はかりごと)は知る由もないが、日本の進路を誤らなかった二人の英雄の偉業は永遠に語り伝えられるであろう。
「漢詞の読み方」
両英雄<徳富蘇峰>
堂堂たる錦旆 関東を圧す
百万の死生 談笑の中
群小は知らず 天下の計
千秋相対す 両英雄
「意訳」
幕府の力も落ちて今にも国運が傾こうとしているとき、土佐の風雲児、坂本龍馬が立ち上がり、新しい国づくりのため、大政奉還を推進すべく京都を駆け巡った。
だがある夜、荒れ狂う風が大樹を吹き折るように、龍馬は明治維新を見ることなく凶刃(きょうじん)に倒れたが、その後、維新の大業が成ったのは、ひとえに龍馬の命を賭(と)しての働きがあったおかげである。
「漢詞の読み方」
坂本龍馬を思う<河野天籟>
幕雲日を掩うて 日 将に傾かんとす
南海の臥龍 帝京に翔る
一夜狂風 幹を折ると雖も
維新の大業 君に頼って成る