「意訳」
孤立無援の軍勢で奮(ふる)い闘って、官軍の重囲を突破し、故郷の城山に帰りつく ことができた。百里もの道のりを敵のとりでの間を脱出してきたのである。やっと帰ってきたが、たび重なる戦いで、わが剣はすでに折れ、わが馬もたおれて死んでしまった。 もはやこれまでである。今は秋風の中、懐かしい故郷の城山で、わが骨を埋める身となった。
(漢詞の読み方)
孤軍奮鬪 圍みを破って還る こぐんふんとう かこみを やぶってかえる
一百の里程 壘壁の間 いっぴゃくのりてい るいへきのあいだ
吾が劍は既に折れ 吾が馬は斃る わがけんはすでにおれ わがうまはたおる
秋風骨を埋む 故郷の山 しゅうふうほねをうずむ こきょうのやま
「意訳」
晩秋の奈良、薬師寺の古塔の上に、一片の雲が浮かんでいる。ああその一ひらの雲よ。
(読み方)
ゆく秋の <佐佐木信綱> ゆくあきの <ささきのぶつな>
ゆく秋の 大和の国の 薬師寺の ゆくあきの やまとのくにの やくしじの
塔の上なる 一ひらの雲 とうのうえなる ひとひらのくも
さらに「詠西郷隆盛」という詩題もある「城山」西道仙作も教えていただきました。
「意訳」
孤立無援の軍勢で奮(ふる)い闘って、官軍の重囲を突破し、故郷の城山に帰りつく ことができた。百里もの道のりを敵のとりでの間を脱出してきたのである。
やっと帰ってきたが、たび重なる戦いで、わが剣はすでに折れ、わが馬もたおれて死んでしまった。 もはやこれまでである。今は秋風の中、懐かしい故郷の城山で、わが骨を埋める身となった。
(漢詞の読み方)
孤軍奮鬪 圍みを破って還る こぐんふんとう かこみを やぶってかえる
一百の里程 壘壁の間 いっぴゃくのりてい るいへきのあいだ
吾が劍は既に折れ 吾が馬は斃る わがけんはすでにおれ わがうまはたおる
秋風骨を埋む 故郷の山 しゅうふうほねをうずむ こきょうのやま
「意訳」
雲の上にそびえる富士山の頂きを見ていると、(その神聖な姿に)仙人も舞い降りて遊ぶであろうかと思われる。さらにまた、老いた神竜がほら穴の淵に棲んでいるかとも思われる。
下界から仰ぎ望んでみると、雪は白い練り絹のように真っ白であり、立ちのぼる噴煙は、あたかも扇の柄のように見える。まるで白い扇が東海の空にさかさまに懸かっているようで、まことに雄大で美しい眺めである。
(漢詞の読み方)
仙客來り遊ぶ雲外の巓 せんかくきたりあそぶ うんがいのいただき
神龍栖み老ゆ洞中の淵 しんりゅう すみおゆ どうちゅうのふち
雪は素の如く煙は柄の如し ゆきはがんそのごとく けむりはえのごとし
白扇倒に懸かる東海の天 はくせん さかしまにかかる とうかいのてん
「意訳」 上杉謙信の軍はむちの音もたてないように静かに夜に乗じて川を渡った。明け方、武田方は、上杉の数千の大軍が大将の旗を立てて、突然面前に現れたのを見て驚いた。しかし、まことに残念なことには、この十年来、一剣を磨きに磨いてきたのに、打ち下ろす刃がキラツと光る一瞬のうちに、あの憎い信玄を打ちもらしてしまった。
不識庵は上杉謙信、機山は武田信玄である。
(漢詞の読み方)
鞭聲肅肅夜河を過る
曉に見る千兵の大牙を擁するを
遺恨なり十年一劍を磨き
流星光底長蛇を逸す
「意訳」 自分の人生も、はや50となったが、何の功績もないのが まことに恥ずかしい。それにひきかえ、歳月の移るのは早いもので、花咲く春も過ぎて、今はもう夏も半ばである。
青ばえが部屋いっぱいに飛びまわって、いくら追っても逃げ去らないように、 小 人どもの讒言がうるさいから、こんな世の中は捨てて座禅の長椅子でも探し出して (禅門に入って)、 清らかな風の吹くところで余生を送りたいものだ。
(漢詞の読み方)
人生五十功無きを愧ず
花木春過ぎて夏已に中ばなり
滿室の蒼蠅掃えども去り難し
起って禪榻を尋ねて清風に臥せん
「意訳」 山も川も草も木もすべて砲弾の跡が生々しく、満目ただ荒れ果てた光景である。見渡す限り、風もまだ生臭い新戦場である。わが乗る軍馬も進もうとはせず、傍らの者も一様に黙して語らない。かくして夕陽傾く金州城外にしばらく茫然とたたずんだことである。
(漢詞の読み方)
三川草木 轉(うたた)荒涼
十里 風なまぐさし新戦場
征馬(せいば)前(すす)まず 人語らず
金州城外 斜陽に立つ
「意訳」鵬のかけめぐる大空は晴れわたっていて、海は果てしなく広く望まれる。かねて聞いていた無人島というのは 、どのあたりにあるのであろうか。島は見えないが、多分そのあたりにあるのだろうと思われる海上に、遠く沖から風にのって 狂い寄せる浪はまるで奔馬のような勢いで寄せて来て、たちまち険しい岩島にぶつかり、砕け散って烟となって飛び散る、誠に壮快な 眺めである。
(漢詞 読み方)
鵬際晴れ開く九萬の天
無人の島は定めて何れの邊なる
風を追う狂浪奔馬の如く
忽ち巉礁に觸れて碎けて烟と作る
「意訳」誰の家で吹く玉笛であろうか、どこからともなく笛の音が聞こえてくる。それは折からの春風にのって、洛陽の街いっぱいに満ち渡るようである。こんな夜、曲の中に折楊柳の曲があったが、この曲を聞けば、だれが故郷を恋い慕う思いを起こさずにはいられようか。
(漢詞 読み方)
春夜笛を聞く
誰が家の玉笛か暗に聲を飛ばす
散じて春風に入りて洛城に満つ
此の夜曲中折柳を聞く
何人か起こさざらん故園の情を
「意訳」後夜は午前5時ごろ、佛法僧鳥は「ブッポーソー」と鳴く「このはずく」のこと。無心に鳴く鳥声と人の心とが更に山中の雲と川の流れと全く一つに解け合って、ここに仏道の真理がはっきりと看取されたと詠んだもの。
最初の句はおなじみの詩。これからの春の夜を歌ったもの。少し難しい節回しのある詩でしたが、丁寧に教えていただきました。
西洋音階との関係や発声の仕方についても再度ご指導いただきました。
新年に相応しく「酒に対す(白居易)」を吟じました。
「白帝城(李白)」も復習しました。
しっかり練習して少しおなかもすいて、新年会でした。
今年も楽しく詩吟を楽しめそうです。