研究紹介
近年,情報技術の急速な発展により,移動履歴や購買記録,SNS上の言説など,多様な社会現象を高い解像度で観測できるようになりました.こうしたビッグデータは,都市や社会の構造を,実証的かつ理論的に捉え直すための新たな観測基盤として機能し得ます.
私は,そのようなデータに潜む普遍的な法則や相互作用を,数理・物理的な視点から明らかにし,社会現象を説明・予測するための理論的枠組みの構築を目指しています.これまでに,特にGPS由来の人流データに着目し,都市圏スケールにおける時間変化をともなう人の移動パターンを解析・モデル化してきました.最近では,カメラ映像から得られる歩行者流や購買履歴など,異なる性質を持つデータにも関心を広げています.
日常のなかで膨大なデータが蓄積される現在,「自分の関心ある対象を,研究として扱える」ことに,本分野ならではの魅力を感じています.たとえば,私の個人的な趣味である香水やファッションに関する感性的なデータにも,嗜好や文化の変遷を支える普遍的な構造が潜んでいるはずです.そうした関心を出発点に,その規則性を数理的に抽出し,学術的知見にとどまらず,実社会やビジネスの文脈でも価値を生み出すことが,今後の目標です.
これまでの研究について
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