塔と魔女 一年後の振り返り

 どうやら自分は自分語りがしたくてたまらないようなので、裏話とか反省とかいろいろと雑多に書きだしてみる。そもそも自分がそういうの読むの好きでもあるんで。

 もちろんネタバレとかは普通にあるんで一通りクリアしてから見るのを推奨。

 これとは別に前にコメントに言及したやつもあります → ふせったー

 あとto Graveを作った後に書いてるんで一部そっちの言及もあります。そっちのネタバレは多分ないですが。

BGMチョイス

●ボス戦

 にーおんのBGM素材より「戦闘音楽D」 本作で一番使いたかったのは実はこの曲です。個人的にボス戦の曲は「アップテンポではなく、しかし重くはなく、緊張感のある曲」というのが好きで、それに一番近いのがこの曲でした。死ぬまでに使えてよかった。

 ちなみに上のやつに該当する曲となると、難関を突破せよ(DQ8), 立ちはだかる難敵(リメイクDQ4), 戦場 朱色の雨(世界樹Ⅱ&新世界樹2) 辺りがあります。

●シンボル戦

 soleil-musiqueよりsol_battle025「能動的エンパシー」 上のボス戦のと合わせて戦闘曲はあまり速くない雰囲気の曲の方がどちらかと言えば好きですが、この曲は本作の中では一つぬけて速い雰囲気の曲かなと思いつつ使っています。この曲については明確に他のゲームで聞いてこれいいなと思ったものを使っているかたちです。具体的には「記憶も力も指先ひとつで」(VIPRPG2015紅白)ですね。これが使われた戦闘がいろいろと印象的なのもあってこの曲もかなり記憶に残ってます。

●各種イベント曲

 それ以外のもありますが、イベント曲の多くをwhite music hallさんの曲を使っています。いや、特別贔屓にしようと思ってたわけではないんですけどね、合いそうな曲を探していたらものの見事にここの曲ばっかになってしまいました。優しな曲調が好きなんでここの曲は全体的に気に入っている曲が多いです。またなんか作るときにも多分お世話になることでしょう。

●全体

 大した意味はありませんが、本作ではBGMは全部midiを使っています。oggじゃなくてもいいかなって。

いなくなってるひと

 屋外に店の人の他に3人ほどいますが、第3階層に入ると1人いなくなっています。諦めて先に帰りました。

「魔女」が使われているのはここ

実は負けても進行する

 自分はあまり負けイベントが好きではないです。難易度を高めにしているのもあって、今やっている戦闘が普通の戦闘か負けイベなのか判別できくなるんじゃないかというのが最大の理由。単純に強制的に負けさせるうまいやり方を知らないというのもあります。なのでその辺りもあって戦闘の類は全て負けたらゲームオーバーというかたちにしたいというのが本音。

 …ではあるのだけれど、実は一番最初の戦闘だけは負けても進行するようになっています。理由としては一番最初の戦闘は使用できるスキルが無いうえにHPも余裕がな、行動を間違えると負ける可能性があるため。始めたばかりではその作品の勝手も分かってないだろうし。そんな状態で一番最初の戦闘で負けてはいおしまい、ではすぐにごみ箱に投げられる可能性があると考えたため、この戦闘だけ負けても続行するようにしています。あまり負けてしまってそういうのがあるゲームと思ってほしくはないけれど、同時に割と死にやすいバランスなので(最初の敵を弱くして)適当にやっても死なないゲーム性だと思われるよりかはいいかなと思ってこのかたちに。ついでに言うと、一応直前にチュートリアルもかねて回復アイテムを置いて保険にしてたりはします。

 負けても続行するのはこの一番最初の1戦のみで、直後の戦闘は普通にゲームオーバーになります。一連のイベントの中でこうも差があるとあまり綺麗でない気がします。でもじゃあどうすればいいのかは分からない…。

イベント時の上下帯

    単純な話で、簡単にそれっぽい雰囲気が出ると思ってるから使ってます。ただこれがあると「今イベントが終わったので、ここから操作できますよ」みたいな誘導になるかなーとも思ってたりします。

シンの口調は変化している

 最初の邂逅, 屋外での会話と第1階層ボス以降では地味にセフィアに対する口調が変化しています。もちろんミスではなく、彼は初対面の相手には丁寧にあたるという性格なのです。ただそれでも割とすぐ柔らかくなります。この辺りは気付かれるものではないかなとは思っていますが、まあ、これも自己満足というやつです。

 たぶん、旅人, 冒険者だとライカみたいな他人に対して殆ど態度が変わらない方が多数派。

資料室のエフェクトテスト

 正直なところ自分用。ああいうの見てるだけでたのしい。

資料室の元

 言ってしまうと「ダーリン菊一文字」(VIPRPG紅白2017)の作者部屋が元になっています。作者部屋の類は感想だったり裏話だったりが多いように思いますが、あれは設計思想がずらりと並べてあって滅茶苦茶参考になった&面白かったので、じゃあ自分も残せる部分は残しておこうということでそういったことに焦点を当てるかたちにしました。別に自分の作品が細部まで考え抜かれた作品というわけではないですが、それでもできる部分は自分なりにきっちり考えたうえで作っているので書けることは結構あるのです。

 後になって見返してみると2つで言ってることは結構重なってる部分があったりします。自分への影響が大きい気がします。

解説書について

 難易度を高めにしてるんでもしかしたら詰む人も出るかもしれない、でも作中でヒントとかを提示するのは嫌だな、ということでゲーム外で情報提示することにしました。これなら見たい人が見るという形にできるので悪くない手段かなと思います。加えて自分みたいなデータをいろいろ見るのが楽しいという人にもこたえられます。

ラスボスに抽出は効かない

 異質なもの、乗っ取るだけ乗っ取るもの、ということで、ラスボスに対しては抽出を行っても何も取得できないようになっています。と同時に、これをするためもあってこれ以外のすべての敵にスキルを設定する必要がありました。そのうえで敵のバリエーションを作る必要があったんで結構きつかった。

 ちなみにテストプレイヤーには初見でラスボスに抽出使われました。やっぱ何もないよね―みたいなこと言われた。

7, 8階のイベント配置

 あまり意味は無いけど、階段上がった直後から見える位置に宝箱とシンボルを配置。前者は見えるタイミングではイベント中、後者は下をまわる必要アリ。少し「おっ」と思ってもらえてそこまで移動してもらえるかみたいなことを考えていたっけかな。第3階層第2シンボルもそんな感じ。

塔入り口エンカウント切り

 恐らく気付かれない部分ではありますが、塔から出る際にエンカウント数値をリセットしています。これが無いと探索開始して即座にエンカウントとかあるので、そこまで大きな問題ではないかと思いますが念のために。

マップの動線

 マップ作成に関する知見は無いのでマップはあまり考えて作られたわけではないのですが、一応各階で動線が似すぎないようにしてたりします。例えば前のは外周を通ったんで内側を通るようにしたりとか、右回りだったのを左回りに切り替えるとか。

マップ構造

 前に仲間から「マップの通路はできれば2マス以上あった方が良い」みたいなこと言われたことがありまして、一応基本的にはその通り2マス以上の幅は確保するようにしています。まあこの言葉はツクール触ってる時のやつで、ウディタの場合は8方向移動なら斜め移動で通路に侵入できるのでそこまで効果は大きくないとは思うのですが、まあそれでも狭くする必要は無いのかなと思ってそうしています。

 地下では縦幅1の部分があったりしますが、実際のところはレイヤー分けにより天井部分の上1マスはチップの裏側を歩けるようになってるんでそこまで狭くもないです。この方法だとマップのサイズを抑えつつ歩ける範囲を大きく取れるのがいいところです。ただ頻繁にレイヤーを行き来してマップを作る必要が出てくるのであまりオススメはしないですね。

 マップ全体があまり広くないのもあってあまり入り組んだマップは作りにくいものの、道があまりないマップばかりだと味が無いかなと思って歩きにくくはない程度に複雑なマップを一部作ったりしました。特に9F(第2階層第3フロア)とか。ただコメントでマップが迷路っぽいとか行き止まりばっかとかのコメントがあったので、実際のところは必要が無ければ結構単純でもいいのかもしれません。

キャプション

 コメントでも突っ込まれたところで、このシステムをもっと主張するべきという話。コンテスト参加直後では抽出に一切の言及がなく、現在も若干追加したものの「こういう面白いシステムがあるよ」みたいな書き方にはなってないです。後から思うと実際そういうところは押し出していくべきところではあるんですけれども、たしかあの時はコンテストとしては基本システムで作りこんだRPGみたいなのを主軸にしててそれで書かなかったような覚えがあります。あとそれと単純にそのシステムを押す形で上手い文章を書けなかった。

 文章力が! 欲しい!!!

階数

 1階層と2階層は5階+ボスフロアですが、第3階層は4階+最上階です。実は敵設定で力尽きたというのが理由。5階分の数を用意できなかった。

ワープの当たり判定拡大

 これはたぶんやってて気づく部分。転送用の魔法陣と第3階層のワープは接触判定を拡大しています。ワープはYに1、魔法陣はXとY両方1。キャラの当たり判定を1×0.5にしてるんで少なくともY方向には広げないとうまく触れなくてイラつく事態になるんじゃないかと思います。魔法陣だけXにも広げてるのはなんでだったか忘れた。あとこの接触拡張もあって中心への移動が微妙に手間取った覚えが。

1回だけ使ってくるスキルの実装

 実装方法はいくつかあると思うんですが、自分の場合は敵にMPの概念が無いんでMPを利用する形にしています。1回だけ使う技をMP消費技にしてAI側でMP割合を参照することで使用回数を制限することが出来ます。調整すれば3回だけ使わせるとかも可能です。

 本作では第3階層第2シンボルとラスボスで利用しています。

属性が2種類の理由

 各種の属性攻撃使えるのはそれだけで強みだし、この属性に強い相手にはこの属性当てると簡単に倒せるみたいなのがあるとそれだけで戦術が広がるので、やっぱり属性の概念は欲しいところ。ただ、積極的に属性弱点を突かせるデザインにするとなると相手の属性を調べられる(或いは弱点を突いたことが明確に分かる)手段が必要になると思っています。片っ端から属性を試して、その時のダメージを記憶して比較する、というのはあまりにも手間。そういう意味ではそういうシステムもないのに属性を入れて弱点突かせるゲーム性にするのはあまりよくはないとは思うのですが、それでも乗っけたかったので2種類だけにして、物理耐性属性弱点というかたちのみとしました。

 ちなみにこの物理攻撃と属性攻撃の2種類というのはノーラと刻の工房がベースです。向こうに複合は無いですが。

装備と情報量

 要素を増やせば増やすほどプレイヤーが管理する項目や数値は増えるわけですが、たぶんそうなるとどんどん負担が増えるよね、という考え。というか作者自身があまり数値の多いゲームが得意ではないです。そんなわけで割と短編ということもあって装備は削ってもいいかなと思2人についてはアクセサリのみとなっています。

ゲーム性の提示

 チュートリアルに関連して、操作方法やゲームシステムだけでなく「このゲームはこういったゲーム性だよ」「このゲームはこう楽しいゲームだよ」みたいなのを早いタイミングで提示できたらいいのかなーとか思ってたりします。本作の場合はベースは基本システムですが、そこから機能を足しまくっているのでそれを提示できたらというところ。ライカの初期スキルにグレイズサイトがあるのは確かこれが理由だったはず。基本システムそのままだと1発だけ回避というのはできないので、これでなんか違うなと思ってもらえればと。

 レコード周りについては資料室で述べた通りなんですが、この考えだともう少し第1階層に癖のあるスキルがあってもいいのかなとも思います。わかりやすくなんか違うのがエンブレイズくらいなので。

防御コマンドの秘密

 実は3人とも防御コマンドで呼び出される行動が別です。しかも付与される状態も全員別です。シンの弾き返しですが、このパッシブ自体は物理ブロック10%のみで防御側に追加で20%設定することで防御時のブロック率増加を発生させています。

 後の2人は中身は全く同じです。全員防御の効果違うのも面白いかなーと考えたこともありまして、その名残です。まあそれをやる必要性までは無かったかなと思います

ラスボス 最終フェーズの挙動について

 ラスボスの最後のフェースですが、手っ取り早く別の敵に変身させることで実装しています。このやりかただとAIがごちゃごちゃしなくてやりやすいです。

 なお、最終フェーズの行動は全て優先度-1にしています。とくに1つ目の行動は最遅にしないと行動が阻害されるので、一応それは避けるかたちにしています。まあそれのせいで最終フェーズスキップとかやりやすくなるんですけれども。

ラスボス 最後のスキルの効果について

 ラスボスの一番最後の技ですが、実は効果量は固定値100+MPとマダンテみたいなMP参照技です。ラスボスの最大MPが1000で最終フェーズ1つ目の技が消費MP1000、そしてその技でMPを吸収するので、そのタイミングでのこちらのMPによってダメージが決定します。これはギミックというよりは、最後のあがきというニュアンスというか1種の演出としています。ラスボスが自爆というのはしっくりこない人もいたかもしれませんが、こういう理由の上では間違いでもないと思っています。

 なおダメージがこちらのMP依存のため当たり所次第では防御せずとも耐えられますが、直前にMP回復とかしてると最悪セフィア辺りはHP満タン+防御の上から沈んだりします。そうそう起きるものでもないとは思いますが。

ラスボス 自滅の専用処理

 最後の技による自滅ですが、即座に戦闘不能に移行する状態をセルフ付与することで発生させています。ですがこれをこのまま行うと一つ問題が発生します。この技によって味方が全滅した場合にもセルフ付与が発生するとともにこれが全滅時処理より先に発生するため、味方全員戦闘不能→崩壊→敵いなくなってるのにゲームオーバー、となります。これを回避するためにセルフ付与のところではこの状態についてのみ全滅していたら付与が発生しないようにしています。

技の数について

 2人の技数はアクティブ7 + パッシブ2の合計9個ですが、プレイ時間2,3時間程度のゲームと考えるとちょっと多い気もします。これも情報量に関連する話ですね。ただいろいろシナジーとか考えたらこっから削れなくなってしまったのです…。

2人のコンセプトと作者目線の評価

 ライカは一応メインアタッカー、というか癖の少ない前衛アタッカーです。ただ駆け出しということや、いわゆる戦士とか騎士ではないので耐久面はかなり高いというほどではないです。それでも3人の中では一番上ですが。私の作品のベースとなっている世界樹の迷宮シリーズでいうと、ソードマン(Ⅰ・Ⅱ)よりはソードマン(Ⅳ)やハイランダーでしょうか。行動速度に長けるのもややそんな感じです。ドラクエだと戦士とかパラとかバトマスとかあんま速くないですからね。

 普通の単体攻撃に加え補助と合わせて優秀な全体攻撃と通りのいい複合攻撃を持ちます。強力なダメージを与える手段は無いですが、素の攻撃は十分あるので安定したアタッカーになってくれます。パワーチャージは倍率は低いのでその点では強くないですが、全体攻撃に合わせると範囲でスタンを撒けるので通常戦闘では結構優秀な技になります。ちなみにテストプレイヤーの方はこの使い方をかなりしていました。

 防御面で見ると庇護技ケアウェッジはニュアンス重視にしたため軽減率が高くなく、回復量も小さいといまいちパッとしない技となっています。ただ回避や防御を自前で備えているのでそれを使えば十分に使えるようになっているはずです。加えてシンは回復か星落としやってた方が強いんで、そういう意味でもライカ側で庇護やることが多いんじゃないかなと思います。

 わかりにくい欠点としてはMPが低めなんで息切れしやすい部分があります。素の倍率が高いからとかいってレイラインばっか打ってるとすぐガス欠になります。

 余談ですが、ライカの武器が槍なのはメインアタッカーというか先頭に立つメンバーの得物をとりあえずで剣にしてばっかいるのはあんまり面白くないんじゃないかなーと思ったためです。

 

 シンのコンセプトは一応回復役です。あまり回復役っぽく見えないかもしれませんが設計上はそうなんです。なお個人的にはパーティーの最後尾にヒーラーを置くのがなんか落ち着くので彼もその位置です。

 回復役としてのコンセプトは「ヒーラーとしては結構硬い代わりにやたら遅い」といったものです。個人的には大体ヒーラーって後衛職で耐久はどちらかというと柔らかめ&やや早いという印象を持っているので、その反対になります。先手を取って回復できないのでその周りで立ち回りを考える必要があるかなと。加えてこれまた強力な範囲回復も連発できないようになっています。ちょくちょく言っていたりしますが自分の主義の一つとして「RPGにおける最強の行動はHP回復」なので、あまりそこを強くし過ぎないようにしています。回復を弱くとまでする気はありませんが、全体回復撃ちまくってりゃ死なないみたいなバランスにはあまりしたくないかなと考えています。

 回復について言うと、一応3人とも回復役になれるようにはなっています。セフィアはヒールを持ってるんで分かりやすいですね。ライカはケアウェッジ …ではなく速さを生かしたアイテム係です。範囲回復アイテムもあるので結構強いです。

 攻撃手段を見ると先制攻撃技に低命中大威力技の2種。前者は技動作については資料室で書いた通りですが、設計としては攻撃役としては遅い必要は無いというのが理由です。先制技のくせして倍率が他と同じなのもこれが理由。まあ攻撃値は他の2人より低いんでその分は火力が出にくいです。後者はこの攻撃の低さを補う手段で、見ての通り命中を補助して使ってねという効果。一応スタン・麻痺・睡眠のどれでも必中になるんですが、これを使った人の多くは恐らくホークアイを使ったでしょう。雑に225%出せるうえにクリティカルも狙えるんでちょっとお手軽にし過ぎた気がします。ただこの場合はたまに外すんでそこは注意。

 光の剣は追加効果が属性付与といまいちパッとしない技。一応耐性持ちにも攻撃が通るようにはなりますが、だったら2回殴るか回復役に回るかした方が良いんじゃないかみたいな性能です。ですが属性付与がスキルにも乗ることを利用するとコラプション+星落としでたまに大変なことになります。

 身代わりは庇護時ダメージ率50%と結構強烈な性能。ただ素の耐久が盾職というほどではないので過信すると沈みます。逆に言うと耐久が高くは無いのでこの軽減率に設定しています。

 簡易結界は全体に対する防御手段として実装。ただこういった1ターンだけの防御特化技ってあまりそこらにあるイメージじゃないんで、正直使われるか不安な部分がありました。自然解除時MP回復効果はこれが理由で、防御技使ったのに攻撃が飛んでこなかったらその分無駄になるってことに対しての補償です。ただこれを回復手段とされるのはいろいろと想定外なんで後から調整入ってます。まあそれでも1発だけ強力に軽減+異常耐性+全体的に多段技の少ないゲーム性でこれ使っときゃいいレベルの半ばクソ技なように思います。攻撃技じゃないだけ良かった。

 回復・攻撃・防御を幅広く備えていて装備がということを考えると、何となく勇者型なような気もします。ちょっと癖があるせいもあってあまり貧乏ではない気がしますが。

 

 本作のメインはセフィアのスキルカスタマイズなので、その点について2人ともセフィアをあまり邪魔しすぎない技構成にしています。具体的には2人とも妨害や防御手段こそあれ、単純な強化・弱体は持ちません。純粋な属性攻撃もセフィア専用になっています。

作者視点での技の評価いくつか

●ブレイク・エンハンサ

 両方とも物理ダメージを伸ばす手段ですが、その性能は圧倒的にエンハンサの方が上となってしまっています。というのも防御減少が-40%に対して攻撃強化が+25%で、基本計算式が攻撃 - 防御/2なんで単純に見てもエンハンサの方が効果が大きいんですね。加えてゲーム進行に伴うダメージの増加を考えた結果として敵の防御は低めの値になってしまったため、これもあってブレイクの価値が少々低くなっちゃってます。敵が複数なら味方に付与した方が効果範囲が広いというのも単純に大きい。ドラクエだとルカニとかは防御が0になるまで下がってかつそれでバランス取れていたりするで、防御低下はもっと強烈にやってもよかったかもしれません。

 一応ブレイクの方が圧倒的に早く取れるで、この点に関して言えばブレイクが完全に死に技になっているというわけではないと思います。霞重ねの補助についてもこっちの方が上です。

 ちなみにto Graveでは攻撃/技術強化が+20%、防御/抵抗減少が-50%で、できれば同程度の効果になってるといいなといった感じで設定しています。残念ながらあちらに攻撃強化はありませんが。

●テイクオフ

 アライアンス・アライブの槍技「ワッチユアステップ」が技名が好きという理由で若干それを意識した技名になりました。

●必中牙

 本作では割と珍しい「敵が先にできた」スキルです。いろいろ組む中で第1階層の敵がもう少し欲しいなってなったときに敵が生えて、その後にこのスキルが出来ました。ただその時点ではだいたいこれ欲しいかなみたいなスキルは用意していたので、この技はだいぶ需要の少ない技となってしまいました…。

●霞重ね

 Twitterでも言及したことがありますが、この技の真価は状態異常を高確率でねじ込めるところにあります。ショックチャージにも使えますが、病毒の腕が手っ取り早くかつ強力でしょう。逆に威力を求めると御膳立てが必要な割にはライカの方が高い火力を出せたりするのでそこまで強力というほどではなかったりします。

●痺止の刃

 麻痺は行動遅延はまあ強力とは言え行動不能率が高くないので通常戦闘ではあまり強くないかなと思っています。加えてこの技は単体対象かつ威力がそこまで高くないので、そういった理由から使いにくいかなと考えていました。そんな理由から基本付与率は驚異の100%となっています。でも強敵耐性がきっちりあるんでそんな有用にはならなかったかもしれない。使ってくれた人どれくらいいるかな?

●エンブレイズ

 比較的早いタイミングで出るなんかよく分からない技。味方全体のHPを参照するってのはあまりないと思うので、これを見てなんか他の基本システムと違うぞと思ってもらえれば嬉しいところですね。

 この技の問題点は割合ではなく値を直接参照するところです。比率でみるとHPに対して魔力がどんどん上がるので第2階層あたりではふつうに他の技を使った方が威力が出たりします。技の切り替えを促すとみることもできなくはないですが、すぐにお役御免になることの方が悲しいですね。もうちょっとステータス調整してもよかったかもしれないです。

●ショックビート

 ランダム攻撃の倍率をどうすればいいか分からない、というのがこの技に関する悩み。敵が複数いるなら全体攻撃以下のダメージしか出ないうえに攻撃対象の安定性が無い、かといって倍率を高めてしまえば今度は単体対象に打ったときダメージが出過ぎる。例えばDQ8(9も)だとさみだれ突きは50%×3~4ですが、これが単体相手だと150~200%。あの作品中だと他が130%とか150%なんで滅茶苦茶に強いわけです(まあ8は他に150%×2とかもありますが)。

 本技はどちらかというと麻痺ばらまき用とみて60%×3としています。なんで範囲技としてみると威力はあまり出ないです。単体に打つと180%ですが、これくらいなら問題ないかなとみています。なんなら一応ディレイウェイト+コラプションの方が期待値は上だったりしますし。

●転嫁

 最大倍率は4倍なんで実際はかなり強い。セフィアの最大火力はこれかな? 問題はこれを大火力で出そうとした場合、敵が攻撃しないターン以外はシンで庇護してもらう形になるので回復が難しくなる点。この辺りの技, 役割の振り分けもあって使いにくかったかなとは思います。それでも一時期これをメインにしたみたいな話も聞いたので使ってもらえてありがたい限り。

●ディレイウェイト

 実はお気に入りスキル。これが入るターンは敵の行動が最遅化するので、敵が1体であれば実質的に味方全体を最速行動させるという凄まじいスキル。パーティが4人構成だったら効果を受ける人が増える分もっとすごいことになっていたかも。この技は元々は2ターン後に発動する形で考えていましたが、それだと通常戦闘で使いづらくなるかなと考えて次のターンに発動する形に変更しました。

 なお、技名の元ネタはウディタのイベントコマンドのピクチャの項目名です。正確には「処理時間」「発動ディレイ」なんでいろいろと違うわけですが。

●コラプション

 技能解説にはダメージを2倍にすると書きましたが、厳密には違ってたりします。これは属性攻撃の有効度を一時的に+100するスキルなので、属性弱点の相手に使った場合には2倍未満になります。

●ハーモナイズ

 まーじでなんでこんな後ろに配置しちゃったんだろ。

●ウィンドケープ

 お前もだよ。ダストクラウドが完全に上位互換なのに。

●ダストクラウド

 命中とか回避の補助効果ってあくまでも補助的というイメージがあるので、なんとなく使われにくいんじゃないかなみたいなイメージがありました。なのでこの技は命中-40%という滅茶苦茶な効果をもっています。流石にここまで減らせば使った人にもこれは強いなと思ってもらえるでしょう。同時に同じ効果を敵側も使っているわけなので、使われても非常に苦しい効果になっているはずです。

 なおシンボルやボスは命中率が110とか120あるのでこれだけで全て乗り切るということはできなくなっています。それでも非常に強力ですが。ついでに言えばウィンドケープを合わせると対ボスでも半分以上避けてくれます。

●一気呵成

 使ってくれた人がどれくらいいるか分からないスキル。MP節約には使えるかな? 想定していた利用法としては幻影刃と合わせると通常攻撃が3発になるので、ライカにパワーチャージ通常攻撃を撃ってもらって特攻星落としを狙いに行くというのがあったりします。

●リパルサ

 わざわざ4枠中の一つを割くということで発動条件をかなり緩くしています。

●前陣防御

 フリゲRPG界隈でよくある話題の一つとして「通常攻撃の立ち位置はどうあるべきか」ってのがありますが、今のところの自分の考えとしては「基本的にはスキルを使って殴り合うため通常攻撃は基本使わない」「ただ装備やスキル次第ではそれをメインにする戦法もとれる」といったところです。一気呵成なんかがこれですね。

 で、同じことを防御にも考えてたりします。防御コマンドを使うのって多くの場合大技が来ると分かってる場合か、そうでなければ死にそうな場合の回復が届くまで持ちこたえさせるためかで、積極的に使うことはあまりないかなという印象があります。なので防御を積極的に使えるようにするスキルとしてこの技が出来ました。回復系のスキルとかにする手もありますが、ほかの2人はそれぞれ庇護技をもっているのでそれに近いスキルということで防御系の性能になっています。

強敵関連

●ケルベロス

 行動周期6ターンで開幕直後と6nターンにディフレクターを使用。開幕に打てばこれが脅威だって一発で分かってもらえるかなって。資料室で若干触れましたが元ネタはアライアンス・アライブの四凶トウテツ。補助系の技だけど非常に印象的だった技です。

 HPは900で、妨害もありかなりタフな相手。制作中は1400くらいあって大変なことになりかけた。そのまま世に出なくてよかった。

 これ書いてるときにUDB見てたところAIに設定ミスをしてた模様。もしかしてめっちゃ突き立ててくる?

●スキュラ

 弱体メインとは書いたけど、正確には元々のコンセプトは「速度弱体からいかに回復を安定させるか」です。そこからほかの弱体も追加されたかたちです。対策としては痺止の刃, ディスペル, ディレイウェイト、ほかには読みや気合といったところです。

 状態異常特攻を持つ侵蝕する呪いは5nターンに使用しますが、異常付与を行うポイズンバインドは5n+3ターンに使用。なので確実に1ターン開くため回復が安定します。あとからこうやってみるとなんかとってつけた感じがしますね…。もっと弱体特化にしてもよかったかもしれないです。それこそ弱体特攻とか。

 本作において敵の使うランダム攻撃はたいてい3ヒットですが、こいつの打ち鳴らすだけは5ヒットします。これの意味するところはつまり、前陣リパルサが面白いように決まるということです。基本システムAdvancedのリアクションは受けた回数分発動にしていまして、これ自体はバランス崩壊につながるかなとも考えています。でもそういう仕様にしているならそれを生かそうということで入手直後のボスで生かせるようにしています。大ダメージ出すのも気持ちいですが、攻撃をめっちゃ回数当てるのも楽しいと思います。

●侵蝕するもの

 行動パターン作ってる時のメモがあったんでそれ載せますね。

5n+1
ワイドエフェクト

 5n+2
エンブレイズ
40%~ スペルハンド

5n+3
通常攻撃
60%~ ショックビート or ワイドエフェクト

5n+4
エルブレイク
40%~ エンブレイズ or エルブレイク

5n
通常攻撃
80%~ ベノムチャージ or オーラプレス

 実際はHP割合による行動変化は上記から+5%、ちょっとだけ早くなっています。

 こうやって見ると 範囲攻撃→単体攻撃→範囲攻撃→単体攻撃→補助 になっています。どういう理由でこうなったのかまでは覚えてませんが、確か範囲攻撃が連続しないようにはしていたと思います。レンジヒーラーは連発効かないですし。

 オーラプレスはスタン効果に加え優先度1と特別仕様。世界樹にある行動速度補正みたいなのが理想なんですが、それが出来ないので完全な最速行動にしています。一応こちら側の最速行動は全て優先度が2か3なので、最速行動に先手を取られることは無いようになっています。

 ベノムチャージはできれば毒付与部分も相殺できる形にしたかったんですが仕様上できないので攻撃強化部分だけ相殺する形に。これはこれでとも考えることはできますが、あまり綺麗ではないかな。

 スペルハンドはこちらと同じ100%+100%なんで、ゴーレムのヘヴィスマッシュと同じく一確の可能性のある技です。終盤に打ってくる大技という扱い。これはもう頑張って耐えるか避けるか、もうしょうがないものとして割り切るかという設計。

 HPは8200、最終フェーズへの移行が残りHP15%なんで実質的には約7000。元は7200だったのがテストプレイヤーに最終フェーズスキップされてしまったため増えてしまった。 …いや他人のせいにするつもりはないんだけどさ。大体の原因は星落としクリティカルなんで、次の作品からは基本的にスキルはクリティカルしない方が良いかなとなりました。実際to Graveではそのようにしています。

こっからちょっとだけ過激派の考え。気を付けるけど、一応たたんどきます。

秘かな企み

 これは基本システムAdvancedにも関連する部分なんですが、本作の小さな目的の一つとしては「少しでも面白いRPGが増えてくれたらいいな」というのがあります。もっと正確に言うと、「少しでも自分が面白いと思うRPGが増えてくれるといいな」ですね。

 これは悪しき考え方だとは思うんですけど、こうやってシステムを作ってそれを使ってもらったり目につくところに作品を置いてプレイしてもらって何かを考えてもらえば、もしかしたらそこからそれっぽい作品を作ってくれる人がいるんじゃないかなという目論見がうっすらとですがあります。

 システム使うかゲームやってもらうかしてもらった人はなんとなく分かるかもしれませんが、自分は基本システムであまり気にいってない部分というのがいくらかあります。加えて、基本システムで作られたRPGがあまり好きでない場合がちょくちょくあります。どちらかというと後者の方が大きいかな…? 例えばサンプルゲームからある力ためや挑発をそのまま採用してしまうと強力過ぎてそれ一択になってしまうとか、単体対象連続攻撃の対象が対象を撃破した場合に途中で移行するとか、攻撃がやたら外れるとか、行動が全部ランダムとか。

 これがすべてではないというのは分かるんですけれど、そのうえで自分の中に「こういうのが面白いRPGなんだ」という像があって、そのうえでその像から離れているやっていて辛くしかならない作品に触れるともう少し頑張ってほしいなという感情になってしまうのです。あまりゲームを楽しむ才能が無い。

 そんなわけでウディコンという場にこういった作品を出せばもしかしたら何か影響があるんじゃないか、みたいな淡い期待があります。なんなら資料室とかここにこういったものを書いているのもそういった意図があったりします。別にここに書いたことをすべて肯定してもらう必要は無いんですけれど、自分の中に無い概念を考えることはできないので、これを考えの種として自分なりに面白いって何だろうみたいなことを考えてくれると嬉しいなみたいな感情があります。Twitterとかで「基本システムでRPGを作る人にやってもらいたい感じのRPG」と言ったのはこの辺りの意図があります。

 あ、でもこの辺りの感情はあくまでも表にはないものです。基本的には資料室に書いた「単純に作りたいから作った」「基本システムAdvancedのフィードバック」が1番2番で、これはそれと比較すると5番目くらいの小ささです。

 ついでに書いておきますと、基本システムAdvancedは一部上のような意図があって設計している部分があります。そのまま使われることへの保険と言いますか。その辺りの仕様を考えている人なら自分で改変なり対処なりするだろうから安全な方に設定して問題ないだろうという考え。具体的にはこの辺り

あと見た目は手に取られるうえで大事だと思っているので、可能な範囲ではその辺りを考えて機能を入れたりしています。具体的には戦闘ウィンドウ差し替えやタイトル機能がこれです。