電子技術の発展によりトランシットに光波測距儀を組み合わせた測量機器ができました。これをトータルステーションといいます。トータルステーションは測量結果がデータコレクタと呼ばれる記録装置に自動的に保存されるため、野帳を使う必要がありません。また、データコレクタは簡単な計算機能を備えているため、結果や精度を現場で確認しながら作業を進めることができます。データ入力や作図といった内業も行う必要もありません。デメリットとしては、様々な機能を含んでいるため使いこなしにくい、トランシットより機械が重たい、価格が高いなどが挙げられます。
トータルステーションの他には、ジャイロステーションが挙げられます。慣性モーメントの大きなローターを高速回転させたものをジャイロローターといい、ジャイロローターは振り子の中に入れられています。そのため、空間内で任意の向きをとることができます。この振り子は地球の自転により子午線を境にして振れる特性を持っており、その振れ幅を検出することで真北を測定します。ジャイロステーションは力学的性質を利用して真北を測定しているため、視通の確保、天候、場所、時間などの測定環境に影響されることがありません。そのため、シールド掘削工事などの地下で測量を行うときや既知点が視準できずに方向角・方位が決定できない場所で測量をするときに威力を発揮します。
まとめとして、電子技術を用いた測量機器としてトータルステーションやジャイロステーションがあります。トータルステーションは得られた結果を自動的に保存する機器であり、簡単な計算機能も兼ね備えているため現場で精度を確認することができます。ジャイロステーションは力学的性質を利用した測量機器であり、測定環境に影響されることなく真北を測定することができます。