ここでは、傾斜した片面を利用して全水圧と全水圧の作用位置の式の誘導をしていきます。平面が水面から角度θだけ傾斜している場合を考えます。
まずは、全水圧の導出をします。上図の面積部分は任意の図形ですので、積分を使うことになります。数学が苦手な方は飛ばしても構いません。
よって、平面に作用する全水圧を誘導することができました。続いて、全水圧の作用位置yCを求めていきます。始めに、全水圧のx軸に関するモーメントを積分で考えます。
このとき、∫y^2dAはx軸に関する断面2次モーメントと考えることができ、全水圧の作用位置が求まります。
また、x軸に関する断面2次モーメントは次のように書くこともできるため、全水圧の作用位置は次式で定義されています。
これで、全水圧の作用位置の式を誘導をすることができました。全水圧の作用位置は図心よりIG/(yGA)だけ深い位置にあることがわかります。では、最後に例題を1つ解いてみましょう。
例題:下図のような円形の水門に作用する全水圧及び作用位置を求めよ。
まずは、全水圧と全水圧の作用位置を求めるのに必要な物理量を求めていきます。
求めた物理量を全水圧および全水圧の作用位置の式に代入します。
まとめとして、全水圧および全水圧の作用位置の式を導出するためには積分の知識が必要となります。