3.1 静水圧で述べたように全水圧や静水圧の式には水深が含まれているのですが、鉛直な平面に作用するときの水深は水面から図心までの距離となります。そのため、鉛直な平面に作用する全水圧と静水圧、全水圧の作用位置は次式によって表わされます。また、下図はある水路を堰(せき)がしっかりと止めているときのイメージ図です。
このとき、hGは水面から図心までの距離 [m]、hCは全水圧の作用位置 [m]、IGは図心位置における断面2次モーメント [m4] です。
式の誘導については3.4 傾斜した平面に作用する静水圧を参照して下さい。では、上式を使って上図の全水圧と作用位置を求めてみましょう。
この問題の一番難しい所は、断面2次モーメントIGだと思います。断面2次モーメントは色んな場面で出てきますので、四角形、三角形、円形だけでも覚えておいて下さい。また、詳細については2.3 断面2次モーメントを参照して下さい。
まとめとして、鉛直な平面に作用する全水圧は水面から図心までの距離が必要となります。また、全水圧の作用位置には断面2次モーメントが必要となります。