レディーミクストコンクリートは、工事現場で製造されたコンクリートではなく、専門の工場で練り混ぜ、製造、運搬されたコンクリートであり、一般的には生コンクリート、生コンと呼ばれているものです。現在のコンクリート構造物は大部分がレディーミクストコンクリートを用いて建設されています。また、レディーミクストコンクリートは工場製品であるため、JISによって規定されています。
レディーミクストコンクリートの製品は、コンクリートの種類、呼び強度、スランプ値またはスランプフロー、粗骨材の最大寸法、セメントの種類の順番で呼ぶように定められています。例を2つほど示しておきます。
コンクリートの種類は普通コンクリート、高強度コンクリート、舗装コンクリート、軽量コンクリートの4つに区分されています。また、セメントの種類は記号で示す必要があります。記号については3.4 セメントの種類を参照して下さい。
呼び強度は20±3℃の水中で28日間または指定の日数だけ養生した供試体の圧縮強度または曲げ強度のことであり、次の2つの規定を満足する必要があります。
①1回の試験結果が購入者が指定した呼び強度の85%以上であること
②3回の試験結果の平均値が呼び強度以上であること
その他にも、レディーミクストコンクリートにはスランプ値、スランプフロー、空気量、塩化物含有量に規定が設けられています。
塩化物含有量は塩化物イオンの量が0.30 [kg/m^3] 以下になるよう定められています。ただし、購入者の承認を受けた場合は0.60 [kg/m^3] 以下にすることができます。
まとめとして、レディーミクストコンクリートは専門工場で製造されたコンクリートのことであり、呼び強度、スランプ値、スランプフロー、空気量、塩化物含有量に規定を設けることで品質の安定を保っています。