①水密性
水密性(防水性)はコンクリートの組織が緻密で均等性を有し、水を浸透させない性質をいいます。主に、水槽や地下構造物で要求されます。
水密性を高める方法としては、水セメント比を小さくする、AE剤やAE減水剤などを使用して単位水量を減らす、高炉スラグやフライアッシュを使用してポゾラン反応を起こす、粗骨材の最大寸法を小さくする、養生期間を長くするなどが挙げられます。
②耐火性
耐火性または耐熱性はコンクリートが加熱されたときに熱に抵抗する性質をいいます。コンクリート自体は比熱が大きいため、熱の伝わり方は遅いです。そのため、火災時に鉄筋への加熱を遅らせることができます。
コンクリートは300℃以下の加熱では圧縮強度の低下があまり見られないのですが、500℃付近に達してくると圧縮強度は50%以下、弾性係数は約1/3程度に低下します。また、コンクリート表面が加熱されると亀甲状のひび割れが発生し、コンクリート内部の鉄筋が加熱されると付着強度が低下します。さらに、高強度コンクリートや水密コンクリートは急激に加熱すると爆裂します。
③遮へい性
遮へい性は放射線や磁界、光、音などによる影響をコンクリートが遮断する性質をいいます。コンクリートの密度と厚さの積が大きいほど、遮へい性は大きくなります。この遮へい性を大きくしたコンクリートが遮へいコンクリートであり、原子力発電所などに利用されています。
まとめとして、水密性は水を通さない性質、耐火性は熱に抵抗する性質、遮へい性は放射線などを遮断する性質です。コンクリートには、塩害、凍害、中性化、アルカリ骨材反応、化学的侵食、水密性、耐火性、遮へい性の8つに対する耐久性が求められています。