骨材の性質を理解する上で重要となってくるのが含水状態、密度、粗粒率、実績率です。
①含水状態
骨材は多用な含水状態で存在しており、絶乾状態、気乾状態、表乾状態、湿潤状態の4種類に分けることができます。絶乾状態は110℃で乾燥させたときの骨材の状態であり、骨材内部に水は存在しません。気乾状態は室温で乾燥させたときの骨材の状態であり、骨材内部に一部の水が残っています。表乾状態は布などで骨材を拭き取ったときの骨材の状態であり、骨材の表面のみが乾燥しています。湿潤状態は骨材内部、表面ともに水が付着している状態です。これらを図にすると次のようになります。
このときに重要となってくるのが吸水率、表面水率、含水率であり、それぞれ次式によって表されます。
②密度
骨材の密度は表乾状態における密度を指し、絶乾状態の密度から求めることができます。また、一般的に細骨材の密度は2.50〜2.65 [kg/l]、粗骨材の密度は2.55〜2.70 [kg/l] の値をとります。細かな話ですが、体積は [m3]、容積は [l] で表し、[g/cm3] と [kg/l] は同じ値となります。
③粗粒率
粗粒率は80、40、20、10、5、2.5、1.2、0.6、0.3、0.15 [mm] の網ふるい1組を用いてふるい分け試験を行ったときの粗骨材の残留質量百分率の和を100で除した値です。粒径の大きい粗骨材が多くなれば、粗粒率も大きくなります。また、粗粒率は粗骨材の粒度を一つの数値で表現できるため、コンクリートの配合設計時に非常に便利です。
例えば、20 [mm] のふるいに5%、15 [mm] のふるいに25%、10 [mm] のふるいに45%、5 [mm] のふるいに95%、2.5 [mm] のふるいに98%、1.2 [mm] のふるいに100%とどまる骨材の粗粒率は次のように計算できます。
また、粗骨材の最大寸法は骨材が90%以上通過するふるいのうち、一番小さいふるいの呼び寸法となります。最大寸法の大きい粗骨材は経済的で乾燥収縮を小さくすることができる一方、コンクリートの練り混ぜが困難となります。ちなみに、上記の例における骨材の最大寸法は20 [mm] となります。
④実績率
骨材の実績部分の割合を実績率といい、実績率が大きいほど骨材の形状がよく、粒度分布が適当であると判断されます。実績率は単位容積質量を絶乾状態の密度で割ることにより求められます。単位容積質量は容器に骨材を詰めたときの単位容積当たりの質量であり、次式で求められます。
まとめとして、骨材の性質は含水状態、密度、粗粒率、実績率である程度表すことができます。骨材の含水状態は絶乾状態、気乾状態、表乾状態、湿潤状態の4つあります。また、骨材の密度は絶乾状態の密度、表乾状態の密度がよく使われます。粗粒率は残留百分率の和を100で割った値であり、粒度の指標となります。実績率は単位容積質量を絶乾状態の密度で割った値であり、粒度分布の指標となります。