骨材中に含まれる有害物とは、コンクリートの凝結、強度発現、耐久性、安定性を害する物質であり、主なものとしては微細な粒子(軽い粒子)、塩化物、有機物が挙げられます。
①微細な粒子(軽い粒子)
骨材中に含まれる微細粒子は少量で分散していればコンクリートのワーカビリティーを向上させるのですが、多量になると所定のコンシステンシー(物体の硬さ、軟らかさ、脆さ、流動性などの総称)を得るための単位水量が増加し、これらがコンクリート上面に浮かんできて弱い層を形成してしまいます。また、これら粒子が骨材と結合していると、骨材とセメントペーストが結合できないために強度低下が起こります。
②塩化物
コンクリート中に限度以上の塩化物が含まれると鉄筋の腐食を引き起こします。その大半は細骨材に含有されている塩化物であり、細骨材の塩化物含有量は0.04%以下になるように規定されています。そのため、海砂などを細骨材として使用するときは十分な除塩処理を行う必要があります。
③有機物
コンクリート中に限度以上の有機物が含まれるとコンクリートやセメントの凝結、硬化を阻害することがあります。腐植土や泥炭に含まれるフミン酸はその代表的なものであり、フミン酸と石灰が結合するとフミン酸せっけんを形成し、ひどいときは硬化しません。フミン酸の含有量を測定する試験として比色試験があり、細骨材に水酸化ナトリウムを入れて24時間放置し、上澄み液の色からフタル酸の含有量を測定します。
まとめとして、骨材中の有害物には微細な粒子、塩化物、有機物があります。