桂はカツラ科カツラ属の広葉樹であり、日本全土に植生しています。桂は全国的に巨木が多く、寸法の大きい木材がとりやすいです。また、雌雄異株であり、雄株の新芽は美しい紅色になります。そこで、雄株を緋桂(ヒカツラ)、雌株を青桂(アオカツラ)と呼びます。 桂の語源は「かずから(香出)」といわれており、桂の葉は夏から秋にかけて乾燥させ、粉にすることでお香になります。
桂の気乾比重は0.40〜0.50と広葉樹のうちではやや軽軟な方に入ります。緋桂は加工性が非常によく、狂いが少ないです。一方、青桂はアテが多い材とされており、時間の経過とともねじれていく性質があるため、利用する際には注意が必要です。桂の圧縮強さは4.0 [kN/cm2]、引張強さは10.0 [kN/cm2]、曲げ強さは7.5 [kg/cm2]、 せん断強さは0.85 [kg/cm2]、曲げ弾性係数は850 [kN/cm2] であり、比重に相応してあまり高くなく、材の保存性もあまりよくありません。
桂の辺材はやや緑を帯びた黄白色、心材は褐色であり、辺心材の境界は明瞭です。また、辺心材を拡大鏡で覗いてみると孔が一様に散布しています。そのため、使用用途としては、仕上材と将棋盤または囲碁盤が多くなっています。
まとめとして、桂は雌雄異株であり、雄株は緋桂、雌株は青桂と呼ばれます。一般的に緋桂の方が良いとされており、加工性がよく、ねじれや狂いが少ないです。