7.1 基礎と支持力

基礎とは上部からの荷重を地盤に伝達する下部構造物のことです。基礎の形式は浅い基礎深い基礎に大別され、一般的に基礎幅が根入れ深さより大きければ浅い基礎、小さければ深い基礎と定義されています。また、浅い基礎は上部からの荷重を直接地盤に伝えることから直接基礎とも呼ばれています。

基礎を通して地盤に加わる荷重を支える力は支持力と呼ばれます。また、地盤に加わる荷重が増加すると沈下量も大きくなり、やがて破壊に至ります。このとき、地盤がせん断破壊を生じる荷重、すなわち地盤が支持できる最大の支持力を極限支持力といいます。支持力と沈下量は下図の曲線で表わされます。ちなみに、この極限支持力を安全率で割った値が許容支持力となります。

よく締まった砂地盤や過圧密粘土地盤では、塑性変形して破壊するまでのひずみ(沈下量)が小さく、せん断破壊が瞬時に発生します。このような破壊の仕方を全般せん断破壊といいます。一方、緩い砂地盤や正規圧密粘土では、僅かな荷重増加によって沈下量が大きくなり、破壊が徐々に進行していきます。このような破壊を局部せん断破壊といいます。全般せん断破壊は破壊点が明確なのに対し、局部せん断破壊は破壊点が判定できない場合もあります。

荷重後短期間で起きる沈下を即時沈下といい、長時間かけて起きる沈下を圧密沈下といいます。また、基礎の各点で沈下量が異なる場合を不同沈下といいます。不同沈下は構造物を傾け、ひび割れや破壊を引き起こす可能性があるため、基礎の設計には許容沈下量が設けられています。この許容沈下量と許容支持力の両方を満足する支持力を許容地耐力と呼びます。

まとめとして、基礎とは上部からの荷重を地盤に伝達する下部構造物のことであり、浅い基礎と深い基礎に大別されます。また、地盤が支持できる最大の支持力を極限支持力といいます。基礎を設計する際は、許容支持力を超えないようにしなければいけません。