地球は球体であり、その表面は球体です。従って、地表面上の長さは曲線距離なのですが、これを平面距離とみなせるかについて考えていきます。地球を簡略化して描くと次のようになります。
地表面の長さ(曲線距離)と地表面を投影した長さ(平面距離)は次のように表すことができます。
ここで、tanをマクローリン展開します。
右辺第三項以降は微小なため無視し、この式をs/2の式に代入すると次式のようになります。
このとき、(s-S)/Sは相対誤差と呼ばれ、誤差の割合を表しています。この相対誤差を1/P以内にするならば、曲線距離の範囲は次式で表わされます。
このS/2は最大球面距離半径と呼ばれ、相対誤差の範囲内で球面を平面とみなせる最大距離を意味しています。では、実際に計算してみます。地球の半径を6.27×103 [km] 、相対誤差を10,000と仮定し、S/2の値を求めていきます。
土木工事における相対誤差は1/10,000で十分なので、地表面は平面として考えていいことが分かります。このように、地表面を平面と考える測量を平面測量といいます。しかしながら、日本の面積を求める等の広領域を高い精度で行うためには、地球の曲率を考慮しないといけません。このような測量を大地測量といいます。
測量方法による分類としては、次のように大別されます。
まとめとして、測量領域の分類としては平面測量、大地測量があり、測量方法の分類としては基準点測量と細部測量があります。