骨材の種類としては砕石・砕砂、海砂利・海砂、スラグ骨材、軽量骨材、再生骨材が挙げられます。
①砕石・砕砂
昔はコンクリートに使用する骨材として川砂利、川砂が使われていました。しかし、近年は環境保全と資源の枯渇の観点から採取が厳しく規制されており、ほとんど使用されていません。代わりに、コンクリートの骨材として使用されるようになったのが砕石と砕砂です。砕石は岩石を砕いて製造するために、川砂利と比べると表面がゴツゴツとしています。そのため、川砂利と同じだけのワーカビリティを得るためには単位水量の増加や細骨材の増加を必要とします。一方、細骨材の増加は乾燥収縮の増加や抵抗性の低下を引き起こす可能性があります。
②海砂利・海砂
海底や海浜などから採取される海砂利・海砂は塩化物を相当量含んでいるため、水洗いなどにより除塩処理を行う必要があります。また、塩化物以外に貝殻が混入していることが多いのですが、少量であるため特に問題になることはありません。
③スラグ骨材
鉄や鋼を製造するときにでてくるスラグを除冷、凝固した後に破砕したものがスラグ骨材であり、よく使用されるものとして高炉スラグ骨材とフェロニッケルスラグ骨材が挙げられます。高炉スラグ骨材は銑鉄の製造時にでてくるスラグを固めたものであり、冷却方法や破砕過程によって性質が大きく異なってきます。フェロニッケルスラグ骨材はステンレス鋼の原料であるフェロニッケルの製造時にでてくるスラグを固めたものであり、けい酸と酸化マグネシウムが主成分となります。また、高炉スラグは粗骨材、細骨材があるのに対し、フェロニッケルスラグ骨材は細骨材だけがJISに規定されています。さらに、フェロニッケルスラグ骨材は密度が3.0 [g/cm3] と大きいために重量が必要となる消波ブロック、護岸ブロックなどのコンクリートに使用されています。
④軽量骨材
軽量コンクリートを製造するときに使用される骨材が軽量骨材であり、天然軽量骨材と人工軽量骨材に分けられます。天然軽量骨材としては軽石や火山礫が当てはまるのですが日本ではほとんど使用されていません。代わりに、頁岩やフライアッシュなどを焼成した人工軽量骨材が使用されています。
⑤再生骨材
今日の建設業界を考えると、コンクリート廃棄物の再利用は避けて通れない問題です。コンクリート廃棄物を破砕し、新たに骨材として再利用したものが再生骨材であり、舗装コンクリートなどに利用されています。また、細骨材量には絶乾密度、吸水率、微粒分量、塩化物量、不純物量の合計が規定されています。
まとめとして、骨材には砕石・砕石・砕砂、海砂利・海砂、スラグ骨材、軽量骨材、再生骨材などの種類があります。昔は川砂利、川砂が使われていましたが、近年は環境保全と資源の枯渇の観点からほとんど使用されていません。