下図のような斜面において、斜面に平行なすべり面の安全率について考えていきます。この面の単位斜面長(l=1m)に作用する垂直応力、せん断応力、せん断強さは次のようになります。
安全率をせん断強さとせん断応力から求めていきます。
また、上式の安全率を1.0と置くと、せん断応力とせん断強さが等しくなる深さについて求まります。
ちなみに、地下水流がある場合の安全率とせん断応力とせん断強さが等しくなる深さは次式で表わされます。
では、例題を1問解いていきます。
例題:地表面と硬い地層がほぼ平行な傾斜角が25°の斜面がある。この斜面の安全性について検討せよ。ただし、層厚は5 [m]、土の単位体積重量は16 [kN/m2]、粘着力は30 [kN/m2]、内部摩擦角は10°とする。
粘着土からなる斜面の安全率は式に値を代入すれば算出できます。その結果、安全であることが分かります。
まとめとして、平面すべりにおける安定率はせん断応力とせん断強さの比から求まります。