日本で発生する地震は震源域の違いにより2つに分けることができます。一つはプレートがぶつかり合うところで発生する海溝型地震であり、もう一つはプレート内部の断層がずれることによって起こる内陸型地震です。
海溝型地震は海洋プレートが海溝で沈み込むときに大陸プレートを巻き込み、最終的に大陸プレートの端が跳ね上がったときに起きる地震をいいます。日本は太平洋プレートが沈み込む一方で、フィリピン海プレートが太平洋プレートとユーラシアプレートの下に沈み込んでおり、複雑な二重構造を形成しています。その結果、関東地方で頻繁に小さい地震が発生していると考えられています。海溝型地震の例としては、1923年9月1日の関東地震または関東大震災(M7.9)や2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震または東日本大震災(M9.0)が挙げられます。
内陸型地震は海溝型地震ほど明確にメカニズムは解明されていません。基本的には、大陸プレートが圧迫されると岩盤にひずみまたは応力がたまり、それが限界に達した結果、断層で破壊が生じて起きる地震と考えられています。内陸型地震の例としては、1995年1月17日の兵庫県南部沖地震または阪神淡路大震災(M7.2)が挙げられます。
海溝型地震や内陸型地震によって放出されるエネルギーはマグニチュードまたはエルグによって表され、グーデンベルグ・リヒターの式によって次の関係が得られています。
このとき、Esは地震の全エネルギー [erg]、Mはマグニチュードです。1 [erg] = 10-7 [J] となります。
地震によって震源からは地震波が放射されます。この地震波にはP波とS波があり、伝搬速度が異なります。地震による災害の多くはS波によって引き起こされています。
P波は縦波であり、岩盤は波の進行方向に振動します。岩盤は非常に伸縮しにくいため、結果としてP波の伝搬速度は速くなります。また、P波が到達すると突き上げるような震動と表現されるほど小刻みに揺れ、この揺れを初期微動と呼んでいます。
S波は横波であり、岩盤は波の進行方向と直角に振動します。岩盤は直角方向にはずれやすいため、結果としてS波の伝搬速度は遅くなります。また、S波が到達すると大きくゆっくりと揺れ、この揺れを主要動と呼んでいます。このように縦波・横波という呼び方は人が地震動を縦に感じるか横に感じるかという揺れの方向を意味しています。
このP波とS波は距離が長くなるに従って減衰し、地震動は小さくなります。そこで、地震動の強さは震度によって表されます。マグニチュードは地震そのもののエネルギー量を表しているのに対し、震度はある地点での揺れの大きさを表しています。震度は気象庁の震度階級によって大きさが決められており、計測震度計で観測しています。
地震による災害としては、構造物の倒壊、地盤の支持力が失われることで発生する粘土層の地盤沈下や砂層の液状化、自然斜面や切土・盛土の崩壊、津波などが挙げられます。
まとめとして、地震には海溝型地震と内陸型地震があり、海溝型地震は大陸プレートの端が跳ね上がることで起きます。一方、内陸型地震は大陸プレートの内部にひずみまたは応力がたまり、断層が破壊して起きます。また、地震のエネルギー量はマグニチュードで表され、地震動の大きさは震度で表されます。