単行本『教育の冒険 林竹二と宮城教育大学の1970年代』は、2003年に本の森から発行されました。
大泉の母校である宮城教育大学は、かつて「ユニークな授業や入試を行う国立大学」として有名でした。その挑戦・改革・挫折の歴史を読みやすくまとめたものです。
《「プロローグ」から》
大学に入るのに、なぜ民謡を踊らなければならないのか。
などと考えている場合ではなかった。とにかく教えられたふりつけを頭の中で分解して、手足をその通りに動かしてみた。
櫓(ろ)をこぐしぐさをしながら、少しずつ歩を進めていく…。
しかし中森教授の手本とはまるで違って、ぎくしゃくしたものにしかなっていないことは自分でよく分かった。
あせったKは、しばしば練習を中断して周囲の受験生を見回してみた。みんな苦労しているようだった。「これで本当に差がつくのか」と思ったが、それ以上のことを考えている余裕はなかった。今は自分の動きを踊りに見せかけることに精一杯だった。
練習の結果、動きをいくら足し算しても、それは踊りにはならないのだということが納得された。しかしそんなことが分かっても、いまは何の役にも立たなかった。Kはロボットのように踊って試験を終えた。一人ずつではなく、数人ずつが列をつくって踊ったことだけが救いだった。
単行本『杜の都のボールパーク』は、2004年にプレスアートから発行されました。
2000年に自費出版した『流星球団 仙台ツインズ』が元になっています。
1973年から5年間だけ仙台を本拠地とした当時のロッテオリオンズの優勝や、楽天イーグルスの奮戦をモデルに小説にしました。
ベガルタ仙台・市民後援会発行の『Country Road 2003』に寄稿した「仙台スタジアムのロックンローラー」と、同時期に仙台の出版社プレスアートの発行する雑誌『仙台闊歩』に掲載された読み物10本を集めた、電子書籍オリジナル作品集です。データをダウンロードして無料でお読みいただけます。
ファイル形式はEPUB(イーパブ)で、約6.3MB(メガバイト)あります。iPhone、iPad、Macでは「ブック(Apple Books)」というアプリが起動して、縦書きで読むことができます。それ以外の端末でもそのまま、あるいは「EPUBビュアー」のアプリをダウンロードすれば、読むことができるはずです。どうぞお楽しみください。