開催趣旨

量子技術は過去10年間で世界的に大きな発展を遂げているものの、日本においては研究・産業面での国際競争力の低下と深刻な人材不足が強く懸念されています。

この度、日本学術会議が「量子未来社会の健全な発展へ向けた課題と展望」を準備中です。この提言は、これらの状況が生み出す研究開発、教育、社会実装上の様々な懸念を見据え、量子未来社会の健全な発展のために、技術の発展段階を共有し、今なすべきことを学術の立場からまとめたものです。

シンポジウムでは、提言が提示する「量子科学技術政策立案に向けた具体的な推進戦略」（基礎研究と研究力強化、大規模開発への学術との協働、人材育成戦略）と「量子未来社会実現へ向けた構造的な課題への取り組み」（国際戦略、イノベーション、産業人材構造変革、社会の受容性の促進）の二つの観点から、提言の本質である量子技術の特質（広がり、インパクト、長期性）を理解し、産官学すべてのステークホルダーが協働し議論する場にしたいと思っています。

プログラム

司会：　佐古 和恵（日本学術会議第三部会員、早稲田大学 教授）

13:00　開会挨拶
　　　　下條 真司（日本学術会議第三部会員、情報学委員会委員長、青森大学ソフトウェア情報学部 教授）

第一部　情報技術に関する政策

13:10  「情報科学技術関連の政策動向等について（仮）」
　　　　阿部 陽一（文部科学省研究振興局 参事官（情報担当））

第二部　量子情報技術の提言に向けて

13:30　日本学術会議提言「量子未来社会の健全な発展へ向けた課題と展望」について（仮）
　　　　根本 香絵（日本学術会議連携会員・沖縄科学技術大学院大学 教授）

14:00　基調講演（ビデオ）
　　　　伊藤 公平（総合科学技術・イノベーション会議議員・慶應義塾大学 塾長）

14:10　基調講演（ビデオ）
　　　　村尾 美緒（東京大学理学系研究科 物理学専攻 物理学科 教授）

14:20　基調講演「量子未来社会の創造へ向けた東芝の取組み－基礎研究から社会実装へ－」
　　　　佐田 豊（株式会社東芝 上席常務執行役員最高技術責任者）

15:00　基調講演
　　　　益 一哉（産業技術総合研究所 量子・AI融合技術ビジネス開発グローバル研究センター長）

15:30 パネルディスカッション「量子未来社会の健全な発展へ向けた課題と展望」
（司会＆ファシリテータ）
　　　　田渕 敬一（文部科学省学術振興局　量子研究推進室長）
　　　　大野 誠司（総務省 国際戦略局 技術政策課 研究推進室 室長）
　　　　武田 伸二郎（経済産業省 イノベーション政策課 課長）
　　　　萬 伸一（量子コンピュータ研究センター 副センター長 ）
　　　　佐藤 彰洋（内閣府科学技術・イノベーション推進事務局 政策企画調査官） 

16:30　講演
　　　「みんなの量子教育」
　　　　小野寺 民也（国立研究開発法人理化学研究所 計算科学研究センター量子HPC連携プラットフォーム部門 副部門長）

　　　「誤り耐性量子コンピュータを目指すムーンショット目標6とその先へ向けて」
　　　　北川 勝浩（MoonshotPD・大阪大学 特任教授）

　　　「国プロFIRSTサマースクールから量子インターネットタスクフォースの設立まで」
　　　　永山 翔太（量子インターネットタスクフォース・慶應義塾大学 准教授）

17:00  閉会挨拶
　　　　黒橋 禎夫（日本学術会議第三部会員、国立情報学研究所所長）

開催方法

日本学術会議講堂（東京都港区六本木7-22-34）および オンライン配信（ハイブリッド開催）

主催

日本学術会議情報学委員会

共催

大学共同利用機関法人情報・システム研究機構 国立情報学研究所

後援（予定）

一般社団法人情報処理学会、一般社団法人電子情報通信学会、一般社団法人映像情報メディア学会、一般社団法人大学ICT推進協議会(AXIES)