2026年7月31日(金)、TKP新宿西口カンファレンスセンターにおいて、部活動地域展開実践セミナー「地域展開におけるリスクマネジメント 〜弁護士と考える、地域展開のリスクと備え〜」を開催しました。
全国25都道府県・81の団体から120名を超える皆様にご参加いただきました。教育委員会の担当者、地域クラブの運営者、学校関係者など、実際に地域展開の実務に携わる方が大半を占めました。
名称:部活動地域展開実践セミナー「地域展開におけるリスクマネジメント 〜弁護士と考える、地域展開のリスクと備え〜」
日時:2026年7月31日(金)9:40〜11:40
会場:TKP新宿西口カンファレンスセンター
参加者:25都道府県・81団体から約120名
主催:全国部活動地域展開を推進する会(SCIN-Japan)
後援:公益財団法人日本スポーツ協会、一般社団法人全日本吹奏楽連盟
特別協力:アスフィール株式会社
大江橋法律事務所の山本翔弁護士による講演です。地域クラブ活動の運営において生じうる法的リスクについて、①地域展開の形態(学校主体型・外部団体型)による法的責任の違い、②運営団体・実施主体の体制整備と必要な保険の加入、③安心・安全な活動の実施と学校との連携を柱に、実務の観点から解説いただきました。
山本弁護士に加え、小出利一氏(スポーツ庁地域スポーツクラブ活動アドバイザー/群馬県教育委員会総括コーディネーター)、岸田美也子氏(経営管理アドバイザー )が登壇し、本会代表の八重樫通がファシリテーターを務めました。
参加申込時にお寄せいただいた課題と、当日会場から寄せられた質問をもとに、運営団体と実施主体の責任の所在、市町村による認定と自治体の責任、兼職兼業で指導にあたる教員と国家賠償法の関係、運営団体の法人化・権利能力なき社団としての体制整備、自治体が委託契約を結んだ場合の責任などについて議論しました。
いずれも判例の蓄積が乏しい領域であり、現時点での法解釈に基づく暫定的な見解として、率直な議論が交わされました。
セミナー終了後、任意でご協力いただいたアンケート(回答19件)では、講演について19件中18件が「とても参考になった」と回答し、パネル討論についても約95%が肯定的な評価でした。一方で、「論点が多すぎて理解が追いつかない」というご意見も1件いただいており、今後の運営に活かしてまいります。
自由記述には、次のような声が寄せられました。
法的な責任の所在を、法律に基づいて知ることができた
すべてが運営団体の責任ではなく、実施者の対応によって責任が変わるという点が参考になった。指導者にきちんとリスクを伝えるべきだと感じた
スポーツ安全保険だけで十分だと思っていたが、全く不備であったことに気づけただけでも成果だった
安全に運営していくための制度設計の難しさを、あらためて感じることができた
今回得たことを地元へ還元し、研修会を開催して関係者すべてで共有したい
また、自治体・教育委員会のご担当者から、次のようなご意見をいただきました。
地域展開を進めるうえで課題となることについて、さまざまな方面の専門家から話をうかがえるのは大変ありがたいです。(中略)このイベントは、課題になっていることについて向き合うことができるのがよいと思っています。これからも可能な限り参加したいと思っています。
成功事例の紹介ではなく、未解決の課題に正面から向き合う場をつくるという本会の趣旨が、参加者に共有されていることを示す声だと受け止めています。
本会は、部活動地域展開後の地域クラブ活動についても、独立行政法人日本スポーツ振興センター(JSC)の災害共済給付制度の対象となるよう、制度の見直しを求めます。
地域展開により、これまで子どもたちの安全を支えてきた災害共済給付の適用が外れます。同制度は長期にわたる保障であると同時に、部活動の安全を支えてきた事故データそのものでもあります。過去の事故から学ぶ仕組みが失われることへの危機感から、本会はこの点について今後も声を上げてまいります。
※なお、本セミナーの模様は、2026年8月24日付日本教育新聞記事「地域クラブ活動での事故・賠償への備えは 弁護士が講演」にて紹介されました