敏宮凌一 特別インタビュー
「なぜ、18年ぶりにホームページを始めたのか?」
聞き手 ハナノコージ・ナツヲ
敏宮凌一 特別インタビュー
「なぜ、18年ぶりにホームページを始めたのか?」
聞き手 ハナノコージ・ナツヲ
Q.最近嬉しかったことは?
A.君がそうなら僕はこうの「恋するあなたは美しい」という曲に出会ったこと。
昔、行きつけだった女子医大病院の近くのパスタの店が、今も営業していることが分かったこと。
Q.最近ヘコんだことは?
A.近くの物が見づらくなってきたこと。
左手と左足のコントロールが出来ずに転倒する日が増えていること。
昔行きつけだった上野御徒町の焼きカルボナーラの店が閉店していたのを知ったこと。
Q.買い物中や自宅にいる時に、よく「マジか?!」と言ってしまうそうですが、最近言った「マジか?!」とは?
A.今年1月に埼玉県で起こった道路陥没事故の現場周辺で硫化水素が数か月も充満しているせいで、住民の身体や自動車に影響が出ているというニュースを観たこと。
スーパー戦隊シリーズが今年(2025年)放送している作品を以て終了すること。
Q.あなたの理想の亡くなり方は?
A.もう少し前なら、心底から愛している人の“上”で亡くなりたいとか、自宅で孤独死して、家中を虫だらけにしたいとか言っていたかもしれません(笑)。
今は、かつての日本映画やヨーロッパ映画にもあったような、映画館やコンサートホールの中の一席で座り、映画をラストシーンまで観て、エンドロール中に昏々と死の眠りにつくというのが理想です。
Q.自分のお墓は建てる?
A.建てない。それに、私が顔も名前も知らない先祖や親戚たちがいるお墓にも入りたくもないです。
私が亡くなる頃には、親族・親戚・知人も存命していないと思われるので、もし可能であれば、私の遺骨は(まだ行ったことは無いですが、)スコーグスシュルコゴーデンか宇宙へ散骨してほしいです。私は人生の中で日本以外の国から出たことがないので・・・。
Q.最近決めた事は?
A.10年以内に終活を終わらせること。
自分を犠牲にし続けて人間関係を構築・維持しようするのをやめたこと。
Q.いま会いたい人はいる?
A.いない。終活が忙しいので・・・。
ご自身のホームページを18年ぶりに開設されたそうですが、なぜSNSでのアピールが主流の時代でホームページを始められたんですか?
「・・・そうですね。近年の国内外のクリエイターの多くはホームページを持っていなくて、作品の売買や制作依頼も自身のSNSだけで行っているというのをよく見聞きするので、私自身もホームページの再開設をする必要はないと判断していたんです。
ところが、最近ホームページの必要性について改めてネットで検索していく内に、日本のビジネスの世界にいる多くの大人は、プロ・アマチュアを問わず、SNSだけで活動しているクリエイターを眼中に入れていないということが分かりました。その証拠に、日本で活動されている著名なクリエイターの多くがSNSだけではなく、自分のホームページを持っています。
日本のビジネスの世界にいる大人は、定住地を持たないアドレスホッパーやバックパッカーのような者に仕事のオファーをしたくないという本音も見えます。
日本にもっと力のある若年のクリエイターが増えてくれたら、SNSだけで活動している日本のクリエイターの肩身がもっと広くなって、ホームページを持たないクリエイターは相手にしないという固定概念みたいなものも無くなると思うのですが・・・。」
そう言われてみると、日本で活躍する力のある若年クリエイターはいっぱいいそうに見えて、意外に少ないですね。よく観てみれば、活動拠点が海外という人も多いですし・・・。
「そういう方々が社会の多勢になる頃には、多分私はいないと思います(笑)。それに、現代の人間社会で立身出世が出来るかは自分のSNSの現状次第という感じになってますよね。」
確かに、近年はSNSをやっているか否かで(高校生や大学生の)新卒採用の書類選考の判断材料の1つにしている企業があったり、一部の芸能関係のオーディションの選考基準で(応募者の)顔や容姿の写真のほかに、(SNSで)どれだけのフォロワー数がどれくらいあるかで選考から落す人を決めているところもあるそうですからね。
「私も落とされる側です。芸能界ではなく、就活の方でですが(苦笑)。
そう言う扱いの奴だからというのかは分かりませんが、日本ではSNSのアカウントやブログをやっていても、日本人からのDMは皆無です。」
日本人からのDMは皆無とのことですが、もしよろしければ、どこの国からのDMをいただいたことがあるかというのをお教えいただきたいのですが・・・。
「2023年にアメリカから2件DMがありました。確か、英語で「私の息子の似顔絵を描いて」という英文の※Commissionでした。でも、この頃の私はCommissionが分からなかったので全て断っていました。なお、後でこのオファーしてくれた方々の事をネットで調べてみたところ、どれもアメリカのインフルエンサーや著名人のなりすましでした(笑)。」
※「コミッション」と読む。主に海外では、個人がアマチュアやプロのクリエイターのSNSへ直接作品の制作を有償で依頼することを指す。最も多いのはイラストやSNSアイコンに使う似顔絵の依頼。欧米ではお馴染みだが、日本では知ってる人も理解できている人も少なく、中には依頼人のフリをした詐欺師などの犯罪者からDMが来ることも多々あるという。この事を問題視した日本の一部企業が、2010年代からSNSのDMを使わずにコミッション出来る日本国内だけのコミッションサービスを始めた。2024年からは一部の海外にあるコミッションサービスが日本人クリエイターへの対応を始めている。
最初にご自身のホームページを始めた時の事は覚えてますか?
「確か、1996年ですね。当時、坂本龍一さんがネットサーフィンにハマっているというのを知ったのがキッカケです(笑)。それに、私が通っていた高校や学校の授業で教え込まれていましたので、今時の人から見たら初歩的なホームページは作れました。それと、この当時たくさん発売されていたコンピューター情報誌に載っていた裏技みたいなのを参考にしたり、ホームページ作成ソフトを使って作ったホームページのデータを、その頃の国内外で流行っていた無料のホームページ(ホスティング)サービスや※「Fetch」を利用して、自分のホームページを運営していました。
しかし、2000年代後半から日本にサイバー警察が出来て逮捕者が出るようになったり、日本にスマホやブログやSNSが入ってきたのを機に個人ホームページブームが沈静化し、日本の無料ホームページ(ホスティング)サービスが続々と撤退や終了して、日本のホームページ(ホスティング)サービスが有料だけになったことや、あの頃の海外の無料ホームページ(ホスティング)サービスの多くが英語力が無いと利用しづらいところばかりだったというのもあって、これを機にホームページ制作をやめて、活動の場をブログへ移行しました。」
※現在も存在するMacintosh(Mac)パソコン用シェアウェア(有償アプリ)のFTPソフトのこと。2000年代までのホームページ製作・運営では「FTPソフト」は必須だったため、エンジニアだけでなく個人も持っていた。2000年代の敏宮は、在籍していた学校の授業で使っていた機材や当時の坂本龍一からの影響もあって、Macパソコンのユーザーだった。
ちなみに、Windows用パソコンのFTPソフトだけは何故かフリーウェア(無償アプリ)だった。
それでも、またご自身のホームページを始めようと思った理由は?
「・・・そうですね。近年の日本の社会では、XやインスタグラムやTikTokなどのSNSは著名人でも、そうでない人でも、ネットの世界や世間に一過性の影響力を与えられます。でも、ただそれだけなんです。例えば、ド派手な柄の全身スーツを着て、(東京の)渋谷駅前の交差点から公園通りまでを踊りながら移動したとしても、騒がられるのはたった数分で終わっちゃうじゃないですか。それと同じです。SNSを私自身の存在を示す手段として使うのには不向きだということを思い知らされたからです。だから、古い人間なりのやり方で爪痕を残そうかと・・・。
私の病状や精神力などを考慮して、いまも日本に若干数ある無料ウェブサイト(ホスティング)サービスを利用しようと思いましたが、かつての(無料のウェブサイトホスティングサービス)と比べて、(無料で)利用可能なページ数と容量が極端に少なくなっていたので、日本でやることを諦めて、海外の日本語に対応している無料ウェブサイト(ホスティング)サービスを調べまくった末に「Googleサイト」でやることにしました。」
「Googleサイト」でのホームページ制作はどうですか?
「近年流行のノーコードツールなので、昔から学校とかでHTMLやJavaScriptを叩き込まれた者には多少不快を感じるところもあります。ですが、※Androidを開発した所が提供しているサービスなので、利用手続きを済ませただけで、いきなりパソコン(PC)・スマホ・タブレット端末で閲覧することを考えられたウェブサイトのベースを渡されるので、近年のウェブサイト制作の知識が無い者にとっては助かりますし、直感的に良い感じのページが出来ていくのが面白いです。それに、無料サービスなのに広告表示義務が無いというのも良いと思います。私自身、近年のウェブサイトやSNSの広告表示のやり方がうるさいと感じているので落ち着きますね(笑)。
大量のメモリを搭載していないスマホやタブレットで、HTMLやJavaScriptを叩き込まれた人が作ったパソコン向けのウェブサイトを観ようものなら、一瞬でギガやメモリが無くなって(スマホやタブレットが)“昇天”しますから(笑)。」
※Googleが開発したスマートフォン向けOSの名称。多くの国内外のメーカーやブランドのスマートフォンに搭載されている。なお、iPhone(Appleのスマートフォン)は自社製のOSを採用しているので搭載されていない。
今回、ホームページの開設日を(2025年)11月20日の理由は?
「当初は11月1日にしようと思っていたのですが、「Googleサイト」の操作方法に苦戦しているせいで(2025年)11月20日になりました(笑)。それに偶然ではありますが、※「国際トランスジェンダー追悼の日(Transgender Day of Remembrance)」に開設できたことに、何か運命のようなものを感じます・・・。」
※1999年に出来た、ヘイトクライムや自死などの望まぬかたちで亡くなってしまったトランスジェンダーの方々を追悼するとともに、社会に対してトランスジェンダーの尊厳と権利について考えることを呼びかける国際的な記念日。欧米では有名な記念日の1つ。