パセージおけいこ会では、気になった出来事(「事例」と呼びます)を出し合って、ロールプレイで確かめたり、パセージのテキストに沿って点検したりします。先日、私の事例を皆で話し合ってもらいましたら、大きな発見と変化がありましたので、会の様子を所々交えながら、ご紹介しようと思います。事例は…(∨:もっと読む)
事例は、朝、小学3年生の子がなかなか起きない、という場面です。イライラしながら何度も「学校どうするの?」と呼びかける私と、布団にもぐって「眠い、(学校に)遅れて行きたい」と言う子。この展開はすでに何度も繰り返されていて、毎回とても険悪な雰囲気になるので困っていました。
私がその場面を説明し、書記の方が書き取ってくださいます。
その後、ロールプレイやテキストを使って点検し、話し合います。
【その時の感情はどうだったか】
やり取りの最中は、学校の始業時間が気になって必死でしたが、言葉にすると色々な気持ちが出てきました。
・学校に遅れそうだ、学校に何と言って連絡しようか?という焦り。
・子のぐずぐずした態度にイライラ。
・体調が悪いわけでもないのに、子の遅刻を認めていいのだろうか?という迷い。
・何とかして起こさないと、子がどんどんだらしのない人になってしまうのではないか?という不安。
【何を学んでもらいたかったか】
これは毎回点検する項目ですが、毎回難しいと思います。この時も、なかなか言葉が出てきませんでした。
まとまらないまま、「眠くても学校に行くことを学んでほしかった、嫌なことでも頑張ってやることを学んでほしかった」などと言葉に出してみましたが、どれもしっくりきません。自分のことなのに全然わかっていないことに驚きます。
他のメンバーに「それはこういうこと?」とか「こういう言葉もあるけどどっちが近いですか?」などと、話し合ったりヒントをもらったりしながら、「眠くてもやるべきことはやる、ということを学んでもらいたかった」というのが一番近いと思いました。
それから、どんな工夫ができるかを話し合うときに、親(私)と子がそれぞれどういう問題にどう取り組めるかを分けて考えてみよう、ということになり、テキストを見ながら皆で考えました。
親(私)は、「子をどう起こすか(怒って起こすか、優しく起こすか)」「学校に連絡するときに何と言うか」…などを決めることができる。
子は、「どう寝てどう起きるか」「学校にどう通うか。(遅刻するか、しないか)」「遅刻で受けられなかった勉強をどうするか」…などを決めることができる。
ここまで点検すると、さっき自分で出した「眠くてもやるべきことをやる、ということを学んでもらいたい」では、何か違うぞ?という違和感がわいてきました。
ついさっきまで、これしかないと思うくらいしっくり来ていたのに!驚きです。
改めて考え直してみると、「自分で睡眠のペースを決める、ということを学んでもらいたい」という、新しい思いが出てきました。「私が子に学んでほしいことはまさにこれだ!」という感じがして、とてもすっきりしました。
そのあと、その目標について点検したり、それを学んでもらうためにはどうすればよいかを皆で考えたり、ロールプレイで確認したり、何を学んだかを共有したりして、その会は終わりました。
……そして数日後の朝。また、事例に出したことと同じような展開になりました!おかげで、さっそく自助会で学んだことを実践することができました。その結果、前とは全く違って穏やかな話し合いで、遅刻で登校しようということが決まりました。
その後、二人で登校しながら、こんな会話をしました。
私「これからだけど、寝る時間だよ、とか、起きる時間だよ、とか、知らせたほうがいい?それとも自分でやる?」
子「そうだなあ…。一応、言ってくれる?」
私「わかったよ。…昨日はお風呂が楽しすぎて、寝るの遅くなっちゃったんだよね?」
子「そうなんだよ!早く寝たほうがいいってわかってるんだけどね~、楽しすぎたんだ!」
以前の私なら、間違いなく「だらだらお風呂に入るから寝不足になるんだよ!次からさっさと入って早く寝なさい!」と文句を言ったでしょう。
でも、その時の私は、「この子なりに、『睡眠のペース決め』にしっかり取り組んでいるんだな。そして私はそれに協力しているんだな」と実感していて、子が頼もしく思え、私も、子に協力できてうれしい、と思っていました。
まだまだ私は口を出し過ぎですが、それでも私にとっては、子が寝坊で遅刻したというのに、イライラもせず、喜んでいるなんて、自分でも驚くほどの大変化で、笑っちゃいました。
そして笑うと、更にいろんな思いが浮かんできました。
「これまで、子に睡眠のペース配分をさせなきゃ!とか、私がペース配分してあげなきゃ!というふうに自分で抱えこんでたな~。そうか、抱え込んでいたから、子が遅刻すると『私の失敗』になっちゃって、私はダメな母だ~、って落ち込んでたんだな。でも、今日は、『協力し合えた』っていう感じで、とてもうれしいな。
『ちゃんと遅刻しないで行く』ことより、こうして『スムーズに行ける』ほうが大事だな。
いや、スムーズに行けることより、こうして『機嫌よく行ける』のほうが大事だな。
…いや、それも違うな。『本人が決めて、本人が責任とれた』から、よかったのかな。しかも、周りのみんなに調和するような、すてきな選択ができたなあ。本当によかった。」
気づきとうれしさの連続でした。
自助会で点検したり、みんなの意見を聞いたりすると、目から鱗と言うか、それまでの自分だったらまず考えなかったような新しい思いや意見が自分の中から出てくるので、毎回びっくりします。
初めての参加の時も、何回目の参加でも、その時なりに、それぞれ何らかの発見があります。
どれが正解というわけでもなさそうだし、ゴールもなさそうです。ですから、これからも自助会に参加して、テキストを確かめ、何度も点検し、お稽古を続けていこうと思います。
初めての方でも、自助会は参加いただけますので、気になる方はぜひ一度お問合わせください。
長文、お読みいただきありがとうございました。 (R.K)