産業安全行動分析学研究会とは
この研究会は、産業安全の領域において、人間の行動を科学的に予測・制御する行動分析学の知見を応用し、普及させることを目的としています。
なぜ産業安全行動分析学研究会を立ち上げたのか?
機械安全分野では、おもに機械側からの安全対策が講じられており、作業者から生じた不安全行動は「機械を止める」「作業者を危険区域に近づかせない」「両手で機械をオペレートしないと動かない」など、機械側をコントロールして危険回避を行っている状況です。しかしながら、事故につながる要因は、最終的には作業者自身の行動に拠るところが大きく、機械側からの対策のみでは十分とはいえません。機械安全の領域では、現実的には「事故はヒューマンエラーで起きる」という認識があるものの、人由来の要因については残留リスクのまま残されているという現状があります。また、作業現場におけるリスクアセスメントが努力義務として定められております。このリスクアセスメントに人の行動をターゲットとした安全対策も取り入れていかなければならないことは明白ですが、実際の現場では十分行われているとは言えません。そこで、人の安全行動を確立し、不安全行動を減らすためには、行動分析学的介入が有効であると考え、機械安全の領域で行動分析学の理解を求め、産業分野での安全対策として行動分析学的手法を広く活用するために研究会の設立という発想に至りました。機械安全の分野のみならず、すべての産業分野において行動分析学の応用は多くの可能性があると考えます。「産業行動分析学研究会」は、すべての産業分野にかかわる人々全般を対象に、労働現場における作業者の安全行動の喚起・増大と不安全行動の削減に対する行動分析学的研究方法論を中心として、産業分野の様々な局面で求められる行動分析学の知見およびその成果を共有する目的で設立することが望ましいと考えております。皆様方の幅広いご支援、ご協力を賜りたいと思います。