実吉ゼミでは、主に認知心理学、知覚心理学、認知神経科学に関連する研究を行なっています。教員の研究テーマは主に視覚認知機能の解明ですが、ゼミで行う研究では、聴覚や触覚など対象は制限しません。物体認識や立体視、視覚的注意、また知覚と運動などをテーマとして、われわれが外界をどのように知覚し認識しているのかを、実験を通して探っていくことを目的とします。また、このような認知機能を支える神経基盤としての脳のしくみについても考察していきます。演習を通して、仮説検証的な実験計画の立て方や、実験刺激・プログラムや調査用紙の作成方法、データ収集と分析、そしてデータの考察について、実験者の立場から学ぶことを目的としています。
具体的なテーマについてはみんなで相談して決めます。これまではバーチャルリアリティに関わる研究、各種視覚認知(物体認識、奥行き知覚、顔認識など)の研究、錯覚(視覚、聴覚、触覚)の研究、音楽を含めた聴覚の研究などを行いました。
実吉は現在、宇宙での閉鎖環境を想定した研究や、自閉症スペクトラムや読字障害などの発達障がいにおける知覚・認知機能に関する研究を行っています。これらの応用的な内容に興味がある場合はぜひ相談してください。
3年春期:決まったテーマで実験を行って心理学実験の基礎を身につけます。
3年秋期:個人もしくはグループでそれぞれ実験計画を立てて研究を行います。
4年以降:3年時と同じ、もしくは異なるテーマで研究を行います。ゼミ論、もしくは卒業論文を作成します。個別に相談して進めていきます。
卒業論文・卒業研究は必修ではありませんが、取り組むことを強く勧めます。
没入型ヘッドマウントディスプレイを用いた微小重力空間映像視聴の心理的影響について
遠隔共同でのヴィジランス課題遂行についての検討
背景色は単語の想起率に影響を及ぼすのか
環境と日常音の相互作用が感情に与える影響
物理的実体を伴わない光線が身体近傍空間に及ぼす影響 -線分二等分課題を用いた検討-
バーチャルリアリティにおけるラバーハンド錯覚の生起についての研究
眼球運動、心拍数計測、音声分析を用いた虚偽検出の有効性についての検討
顔弁別能力の個人差とアルチンボルドの絵画の顔判断の関係についての検討
学習者の心理的状態が学習内容の理解や記憶に与える影響
共感覚概説 ―交差する五感から見える世界―
文字の丸みが及ぼす読みにくさと記憶への影響
対人関係の初期におけるメッセージ内の装飾の影響について
典型色が画像の色記憶に及ぼす影響
目の大きさ知覚にまぶたと眉毛が及ぼす影響 -顔における錯覚について-
色の恒常性と記憶
バーチャルリアリティによるシミュレーションは緊張を緩和するか
顔に類似した人工物における怒りの優位性効果の検討
共感性の程度が自動模倣に及ぼす影響
ミスディレクションが変化の検出に及ぼす影響
道具の長さが図形描画課題の反応時間と逸脱回数に与える影響
チェンジブラインドネスの比較
没入型ディスプレイを用いた映像視聴による生理指標の変化
学習において適切な媒体はなんだろうか
人が絵画を魅力的に感じる複雑性と単純性
商品パッケージ色による印象の変化
人の視野及び視覚システムの違いが大きさ知覚に及ぼす影響
閉眼時における音楽聴取がストレス緩和に及ぼす影響
振り仮名が漢字の読字速度に及ぼす影響
非共感覚者における色字共感覚現象について
商品パッケージの色彩が消費者心理に与える影響
恐怖刺激における3Dと2Dの違いが生理的指標に与える影響についての検討