ご挨拶

令和九年 三田天満神社  正遷宮実行委員会  実行委員長  片山健次郎 

 三田天満神社は壱千数百年前より「三田神祠」と号して大歳神社をお祭りしておりましたが、天文十四年(1545)赤松村秀公がご神託により菅原道真公をお祭りし天満神社と改号しました。江戸時代には三田藩主九鬼家の守り神として、また現在に至るまで地域の氏神として多くの皆様の崇敬を集めています。

 その姿を現在まで守り伝える事ができた理由の一つが「式年遷宮」の制度にあると聞き及んでおります。昔より神社の社殿などを永遠に保つこの制度は神社と氏子崇敬者の浄財によって行われてきました。この度令和五年に「式年遷宮」を迎える予定のところを新型コロナウィルスの蔓延により「式年遷宮」の実行委員会の開催すら儘ならずやむなく四年後に予定しております「菅公一千百二十五年祭」と併せて斎行致すこととなり、22の氏子地区及び神社崇敬者を母体とした正遷宮実行委員会を結成することに成りました。

 私は、今回の実行委員会結成にあたって皆様から本会の実行委員長に推挙され就任させて頂きました。

本会実行委員長職が大変な大役である事は重々承知致しておりますが、お引き受けした以上は全力を挙げて来る令和九年の「式年遷宮及び菅公千百二十五年祭」が無事斎行出来るよう努力して参る所存でございます。

 兵庫県文化財に登録された御本殿を有する三田天満神社は、正に皆様に誇れる神社であり、地域の象徴であると考えております。

 その象徴を後世に迄伝承する方策が、趣意書にお示し致しております諸事業の実施でありますので、何卒皆様方には絶大なるご助力・御奉賛のお願いを致し、正遷宮実行委員長としてのご挨拶とさせて頂きます。


三田天満神社  宮司  生田 真

 三田天満神社第九代宮司の生田真です。

 いよいよ二十五年ごとに神社の修復造営を行う正遷宮が近づいてまいりました。伊勢の神宮では二十年ごとにご社殿の建て替えをしておりますが当社では傷んだ箇所の修復、建て替えを行なっております。正遷宮にのみ奉納される幟差しは、覚えのある方には懐かしい祭事であります。

 三田天満神社がここまで規模を拡大出来てきた大きな要因は赤松・九鬼の両、時の藩主の多額の寄進によるものが顕著です。また、少なくとも江戸時代には式年遷宮の習慣が始まっており、今でも明治時代の寄進者様のお名前が彫られた石柱、玉垣が残っております。

この度、銅板屋根の傷みに伴い雨漏りをしている御本殿は擬宝珠(ぎぼし)に元文の時代の年号が刻まれています。二百五十年以上前の建物です。この大々的な修復を行うには神社の日々の歳入で賄うことは到底出来うるものではありません。また、天満神社になる以前、大歳の大神をお祀りしていた頃から氏子・崇敬者の方々からのご浄財によって現在まで護持されてまいりました。

 大きな事業に大きな寄進のお気持ちを表されることで、より強く、末永く子々孫々までお見守りくださることと存じます。

 この時、このタイミングで当社の正遷宮を迎える事ができるのも何かのご縁と思います。出来る範囲で結構ですので、ご自身の寄進で末永く神様の社殿の一部になっていると思っていただき、ご自身の心の中に神様からの「ありがとう」を持ち続けていただけると存じます。

 感染症のため非日常の生活を強いられ、また、とどまることのない物価高騰の厳しい折ではございますが何卒、一宗教としてだけではなく氏子、崇敬者の大事な歴史ある物を護るというお気持ちでご理解の上、ご寄進賜りますようお願いいたします。