2019年2月例会 参加者の感想

実践報告①高校「力のモーメント導入の授業(2時間分)」(YYさん)

〇力のモーメントについて理解不足でしたので、とても良い機会になりました。剛体をどう捉え、子どもたちに意識させるかが大切だと感じました。

〇YYさんの授業は報告前の1時間目にやった、力は作用線上を移動できることを意識的に使えるような課題にすることなのかと思いました。そのことが“うで”が何か明確になるのではないか。

〇到達目標の“うで”が、軸と作用線の距離だということを捉えさせる授業の報告でした。ねらいを焦点化すれば、子どもたちにとって、学ぶ価値のある内容になるのではないかと思いました。あとは意見にもあったように、この単元のどこにどのようにつなげるかという視点も必要なのかとも思いました。

〇力のモーメントは中学では扱わないが、摩擦のある状態での実験などで結果に影響が出てくることがあって、取り扱いに困ることがある。小学校で天秤をやっているようなので、中学校で扱ったらという意見が出たが、確かに中学校でやってもいいかなと思った。

〇途中で退室してしまい申し訳ありません。検討ありがとうございました。課題の投げっぱなしではなく、こちらのねらいが伝わるようなしかけや手順が必要であると感じました。また、物理量の概念をしっかりとらえなおさないといけないと思いました。

〇実際に授業の生徒実験で使用した円盤を持ってきていただいたので、どのようなものでどのように生徒が考えたのかが分かりやすかったです。実験道具については自分でも作成し使用してみたいと思うものでした。導入をどうするかというところですが、力学は一通り学習しているはずなのでやはり物体が受けている力に着目させることと、力の矢印の図示は必要であると思います。小学校でてこの学習をしてきているはずなので、単純なところから入ってもいいかもしれません。2時間目の課題は例会でいくつか意見が出されたように工夫次第で、さらによい課題になりそうです。物理基礎では学習しない単元なのですが、個人的にはどの生徒も知っていていい内容ではないかと思っています。

〇「つり合い」という言葉を聞いたとき、多くの生徒が(一般的な人も)、天秤棒で左右のバランスが取れている状態を想起するのではないでしょうか。わたしの生徒たちも、そういう”バランス的なつり合い”から脱却できないでいるように思います。力のつり合いとモーメントのつり合いの区別以前の問題で止まっているのです。吉岡さんがつかう回転盤上に錘をつける教材は、うまく使えばそういう思い込みに揺さぶりをかけられると思います。いろんな錘の付け方を示し、試させることで、規則性に気付かせるねらいだと思いますが、ひとつひとつに異なるねらいがあるので、やはり丁寧に積み上げる必要があると感じました。この教具は私も同じようなものを使っていますが、生徒実験として整備したことにはたいへんに意義を感じます。錘だけでなく、引っ張ってつりあわせるような実験も仕組めば、うさん臭さが無くなるでしょう。私も作ってみようと思います。

〇YYさんのレポートは、モーメントの学習でした。あまりレポートしない分野だなと思ったのですが、それは、基礎物理ではないから、選択した生徒だけが学習するとのことでした。小学校で学習するてこや輪軸の発展だと思いました。力とモーメントは違うものだが、生徒が区別できているのかという質問がありました。YYさんは、区別のついていない生徒もいると答えていました。私もよくわかっていなくて科教協に入って、高校物理の人達に教えてもらいました。

実践報告②小学校「酸のはたらき」(HYさん)について

〇HYさんの授業計画、正直どう捉えればいいか難しいなと感じました。「酸のはたらき」を物質学習の中でどう位置づけるのか、考える必要があると思いました。

〇HYさんの報告は酸の学習で物質としての酸を教えたいとしながら、水溶液の性質に止まっているように見えるのは、化学変化を捉えさせることをためらっている為と、もう一つはアルカリが酸のはたらきをなくす物質だけになっていることもあるのではないか。

〇よく研究して到達目標を構造化して教材構成をつくりあげているので感心した。授業に引きずられている所もあるのかと思えたので、まず徹底的に構造化のための分析に取り組んでほしいと思った。(小野さん)

〇6年生の化学分野は「化学変化」を扱っていますが、小学校で「何を」「どこまで」を検討していく中で、「化学変化」は中途半端に小学校でやるのではなく、中学校でしっかり分子・原子を使って学習した方がすっきりするかもしれません。例会でもそのような方向になりましたね。酸のはたらきについて林さんは独自の学習会で「ものとは何か」を追求していく延長線上で研究を続けてきましたが、小学校では到達目標や具体的内容をたてるには中途半端でたてにくい単元だと感じました。

〇物質学習として酸とは何かアルカリとは何かを学ぶのは、高校化学の一つの醍醐味ではないかと思っています。周期表の学習をからめ、分子式(組成式)を眺めればある程度の想像がつくようになることを、目指したいと思っています。翻ってそのような学習が成り立つ前提としては、まず酸とはどういう性質のことをいうのかが、わかっていなければならないはずです。固体とか液体とか気体とか、全然違う物質なのに同じ性質を示すというのは、とても驚くべき結果だと思うのです。そういうことを、驚きをもって学んでいくことが、小学校段階での学びではないかと、私は思います。

〇YYさんの「酸水溶液」のレポートは到達目標の構造表までついていて、すごいと思いました。でも、私は、YYさんが前回考えた到達目標の方がいいのではないかと思いました。酸水溶液のはたらきを理解させることがねらいではないのかなと思いました。はたらきの中に金属に対するはたらきもあり、アルカリに対するはたらきもあると考えました。

「理科教室2月号を読んで」(IKさん)について

〇「理科教室を読んで」は、主に特集についての話になりました。“主体性”、私は“子どもが自らはたらきかけること”だととらえています。そして、日頃から意識しているつもりです。ただ、主体性を高めることをねらいにしてはいけないとも考えています。

〇「理科教室を読んで」のIKさんの報告の中で、「どうしたら意欲的に学ばせることができるか」という話し合いに発展し、具体的な授業運営の話も出ました。IKさんの質問がよかったと思いました。