年間行事

月3日 節分 星供護摩祈祷

人の運命が星の運行に左右されるという考え方は、古今東西普遍的なものです。

真言宗では、インドと中国の占星術の伝統の上に立ち、星々の総統括者である金輪仏頂尊を中心に、北斗七星ならびに、日月などの九星、太陽の運行に関わる十二宮、月の動きに関した二十八宿などを描いた星曼荼羅を掛けて、護摩を焚き、また大般若経転読を修して、運命の好転を祈願して参りました。

最明寺では、2月3日節分の夜、星曼荼羅と、世界の守護神である十二の神々(十二天)をおまつりし、星供護摩独特のお供えをして、祈祷を行っています。

ご祈祷の御札は、事前のお申し込みをお受けしております。

月21日  春のお彼岸

春秋のお彼岸は、太陽が真西に沈むことから、西方極楽浄土との縁が深まる時期とされています。彼岸とは、文字通り「彼の岸 あちら側の岸」という意味で、煩悩にとらわれたこの世を意味するこちら側の岸(此岸)に対して、悟りの世界、仏さまの世界を意味しています。

お彼岸の時期は、彼岸中日をはさんで前後に三日間ずつの七日間あります。この期間はお墓参りをしたりしてご先祖さまに感謝を捧げ、また、仏道に親しんで自分自身を振り返りたいものです。

最明寺では、お彼岸中日に本堂にて檀信徒の皆様のご先祖供養を行い、戒名を記した経木にお水を掛けて菩提をお祈りするお水上げ法要を実施しています。

4月8日 釈尊降誕会 花まつり

二千五百年ほど昔、お釈迦様はインドのルンビニーという花園で、お母様の摩耶夫人(マーヤー)の右脇からお生まれになったといいます。そして誕生してすぐ、七歩歩んで、右手で天を指し、左手で地を指して「天上天下唯我独尊」と宣言されました。この意味は、「この世に生まれた私の命がかけがえのないのと同様に、すべての人の命もかけがえなく尊いものであり、お互いを大切にし、一日一日を大事に生きていかなければならない」ということだと思います。

誕生の際、天から花が降り、龍神が産湯として甘露の雨を注いだということから、寺々では、花御堂という小さなお堂にお釈迦様の誕生仏を祀り、甘露になぞらえた甘茶を掛けてお祝いします。


8月  お盆

お盆が近づく頃の夜、町のどこからか阿波踊りの練習をしている太鼓の音が聞こえてきます。弾むようなリズムは、私たち阿波の人々の心の奥底に響くエネルギーを持っています。

阿波踊りは本来、お盆に家族の元へ帰ってくるというご先祖様を慰め、喜んで頂くための盆踊りです。阿波で亡くなったご先祖様方も、阿波踊りの三味線や鉦、太鼓の音を聞き、動きにあふれる踊りを見て、きっと楽しんでくれることでしょう。

お盆を迎える家々では、スイカや茄子、キュウリなど夏の野菜果物をお供えし、そうめんなどをおまつりしてご先祖様を供養します。

最明寺では、7月の後半から檀家様のお家をお参りし、お盆の供養をさせて頂いております。

9月23日  秋のお彼岸

秋のお彼岸頃になると、最明寺の萩の花が盛りを迎えます。厳しい暑さが過ぎ、ようやく涼しい風が吹き始めた初秋、ほっと一息をつく季節となりました。煩悩や苦しみに満ちたこの世を猛暑とするならば、清涼を感じさせる秋のお彼岸は、まさに苦しみのない仏さまの世界を思わせるものがあります。最明寺の境内では、あちこちに赤紫や白の萩の花が目を楽しませてくれます。萩という字に秋が含まれていることからも、待ち望んだ秋の到来を代表する花と言えましょう。萩は別名、鹿鳴草とも言われますが、花札で鹿は紅葉の中に描かれるように、秋を思わせる動物です。萩との関係も深いようです。

最明寺では春のお彼岸と同じく、お水上げ法要を実施してご先祖様の供養を致します。

12月31日 大晦日(除夜の鐘)

夕焼け小焼けで日が暮れて山のお寺の鐘が鳴る(童謡・唱歌『夕焼け小焼け』)という歌詞からも郷愁をかき立てられるように、お寺の鐘の音は、私たちの心を落ち着かせてくれます。また「祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり」という有名な言葉からも連想されるように、消えていく鐘の音が、あらゆるものの移ろい、変化を象徴しているようです。

大晦日の夜、最明寺では除夜の鐘を突きます。行く年を振り返り、来る年の幸せを祈って、参拝の皆様にも鐘をついて頂いております。

百八回突くと言われますが、百八という数の根拠には、煩悩の数であるとか、四苦八苦を合わせたもの(36+72)であるとかの説があります。いずれにしても、新しい年の幸せを祈るという意味には間違いないようです。