”肉球のピンセット”
1.制作理由
初めての3Dプリンター。せっかくの3Dプリンター。どうせ作るなら、かわいくて自分の好きなものを作りたいと思いました。
私の好きなもの......... 愛犬? と思いついたことをきっかけに、犬に関するものでピンセットに出来る形を考えていたところ、以下の画像を見つけました。
これをもとに考えた私のスケッチがこちら!
2.制作秘話
実際にfusion360で形を作り、印刷してみたはいいものの...
形はとても上出来。偶然お会いした道用先生にはレンコンだと言われてしまいましたが。
しかし肉球の元の部分に柔軟性が全くなく、ものを掴むどころかびくとも動かないという結果に陥りました。
強度があるのはただ単純に厚さが原因と考え、元々4mmだったものを2mmにしてみましたが、それでも全く動きませんでした。
ファブラボスタッフの方から、プリントされている部分の太さが原因じゃない?というアドバイスをいただき、全体的に線を細くしてみたのですが...
線の細さ故に折れてしまいました。
ここでとあることに気が付いた私。円の下半身をどれだけ工夫しても、円の上半身が動かない限りは下半身に力が加わらず、ピンセットとして機能することは不可能であると。
そこで肉球の手の腹に切れ込みを入れ、今度は厚さ1.5mmで作成してみましたが、つまもうとした瞬間に半分に折れ曲がってしまいました。
折れ曲がったことにより爪先にまで切れ込みが入ってしまいました。が、
なんと!
切れ込みのおかげで支点が指の腹の先に行き、肉球の右半分が自由に動かせるようになりました!
設計図を編集し直し、爪先に切れ込みを入れ、強度を高めるために厚さを2.5mmにし、さらにつまむ部分は6mmの隙間から4mmに変更しました。
さあ結果は?
大成功~!
切れ込みによる柔軟性とフィラメントの強度がうまくマッチし、私の理想としていたピンセットが出来上がりました。
3.設計ファイル
最終的な設計図はこちらをご覧ください。
https://a360.co/3rW5raj
4.実践
この形を作りながら薄々感づいてはいたのですが、正直実用性は皆無です。
しかし自分の作りたい形・満足できる形を作ることができたので、結果オーライと言えるでしょう。
実際に使用してみたところ、私の大好物の芋けんぴはつかむことができました。大満足。
6.まとめ
次回のために、今回の反省を述べて終わりにしたいと思います。
形にこだわる前に簡単な試作を設計して一度作ってみると良いと感じました。
私はもともとバイオリンの形のピンセットを作ろうと考えていたのですが、形にこだわりすぎるあまり一度もプリントすることができず、自分の納得いく形が制作できないことが嫌で提出期限ぎりぎりで肉球に変更するという滑稽なことをしてしまいました。
とりあえずの形は完成させて、簡単な試作を作って、可動域がどこなのか・素材の強度はどれくらいなのか・細さ太さ厚さにより何が変わってくるのか、大まかな情報を事前に知っておくことが重要だと感じました。一度作ってからじゃないと知り得ないものがあるため、形にこだわるのはそれからだと学びました。
また失敗は成功のもとだとしみじみと感じたので、次回もたくさん制作してたくさん苦戦して、納得のいくものを作り上げていきたいと思います。