僕の古くからの知人には昔からよく言っていた話であるし, 似たような体験をした同業者も数多く知っている.
標題の通り, 僕には脳が「開く」瞬間が1年間のうちに5日間だけ訪れる. もっと言えば本当に物理的に「パッカーン」と開くイメージである. ただこれは explicit に24×5=120時間ではなく、正規分布のようになめらかな感じでやってくる. その兆候は3日前から夢に現れる. まるで「お前はこれから本気で5日間仕事をせよ」のようにやってくる. そして例年, ほぼ全ての研究業績はここから生まれる. そして今日, 1つ生まれた.
ただこれには副作用がある. それは人に対して節操がなくなる, つまり「いつもより直接的 = ちょびっと攻撃的になる」ことである. 僕はこれを書いていることでそれを解消しているのかもしれないが, それくらいに何かが動いているということである. このタイミングで巻き込まれた方, とくに「なんかいつもと横山さん違いませんか」と思われた方には心からお詫び申し上げる.
遡れば最初にこの経験をしたのは2010年の1月である. 4日間ずっと何かの巨人に踏みつけられた夢の後「A5」というメッセージを残していった敵がいた. A5 といえば紙のサイズではないかと思うが, 僕はこれを5次交代群の A5(5次対称群 S5 の指数2の部分群)と思ったわけである. しかしそれが然るべき線形表現空間の埋め込みに関する問題の突破口であることがわかり, これを実装できたのは修論提出の13時間前であった(締め切りは翌日12時なので, 気づいたのは前日23時である).
話を元に戻すが, 今年の "サイン" は「映画【マルグリットの定理】上映会で, すべての映画機器がうまく動作せず, かつ何故かゲストにいたトム・クルーズ(夢の中ではこれを疑わないのが不思議)が退場して膝から崩れ落ちる」というとんでもない悪夢の後, いきなり証明が完成した.
もしこういった体験をした方があれば教えて欲しい. 個人的にオカルトは好きではないが, ちょっとだけ信頼している自分がいる.
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