ドイツビールとメルセデス・ベンツ博物館

日本に対しマイナス7時間の時差(サマータイム)があるドイツでは, 日本からのメイル処理が大体お昼には終わってしまう. ゆえに雑務は午前中にパパっと片づけて, お昼からはまったり数学に没頭できるのが海外滞在の利点である(日本だと午後も切れ目なく用務が入るので, ほとんど数学に集中できない. これに加えて物理的に離れているというのも良い点である). しかも6月のドイツは日が昇るのが猛烈に早く(朝の5時にはもう明るい), 日が落ちるのが猛烈に遅い(夜の10時過ぎくらいまで明るい)ので, 必然的に早起きの生活になる. 暗くなったら体も寝るモードに切り替わり, ぐっすり眠れて健康的である. 仕事が早く終わった日や休日は, 必然的に晩酌の時間となる. 大のビール好きとしては, 現地の地ビールを飲むしかない.

ここではカールスルーエ滞在中によく通った店を2軒紹介する. 1つ目は Vogelbräu Karlsruhe である. 建物などは比較的新しい感じで, 朝の10時から開いていた. 常連さんが集うカウンターに座って, お店の雰囲気を十二分に感じながら飲むのがオススメである. この時期から出始めていたヘーフェヴァイツェンが大変素晴らしかった. また黒板に手書きで書かれた案内がいい味を出している(ところで "Sommer pur" は直訳すると "Summer pure" だが「純粋な夏のビール」という意味だろうか?). またビールの情報(数値)のところだが, Alc. はアルコール度数, Stw. は麦汁濃度(Stammwürze)である.

ふとビールジョッキを見ると "seit 1985" とある. 実は僕が生まれたのも1985年で, 妙な親近感(と運命)を感じてしまい, 人生初のビアジョッキを購入. 0.3リットルと0.5リットルの2種類があったのだが, かさばりそうなので0.3リットルの方にした. 確か3ユーロ強とお値打ちであった. さらに隣に座っていた常連さん(見事なビール腹のおじいさん)が優しくしてくれて, ビールカレンダーと大量のコースターをくれた. 旅の良い思い出である.

もう1つは Privatbrauerei Hoepfner である. カールスルーエには主に6つの代表的なブルワリーがあるが, その中でも最大規模のブルワリーである. 何といってもビールの種類が充実していて, 選ぶのもなかなか楽しい. 近隣のスーパーに行けばボトルビールも購入可能である. 醸造所そのものは古城のような立派な造りで, そばには「ヘープナー通り」というお店の集う細道がある. ビールを飲みたい場合は, 醸造所すぐそばのホテルの1階にあるレストランに行けばよい. Google で検索すると朝の8時開店と書いてあるがそれは醸造所そのものの稼働時間であり, レストランは11時からオープンである. つまみに定番のカリーヴルストを注文したのだが, 想像を絶するボリュームで驚愕した.

滞在中唯一の休日に少し足を伸ばしてシュツットガルトを訪問, ネッカーパーク駅そばのメルセデス・ベンツ博物館に行ってみた. 入場料は10ユーロで, まず最上階に登ってからゆるやかに降りつつ展示を見るという変わった造りである. たっぷり2時間楽しく見学した. お土産に無線キーの形を模した USB メモリを購入したが, その横に売られていた車型の PC マウスも興味深かった.

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