しまくとぅばプロジェクトの概要と歴史

―Shimakutuba Project and its history―

プロジェクトの対象者とその概要

―who is this project for and overall objectives

しまくとぅばプロジェクトは、基本的に琉球のことばに興味があるすべての人を対象にしたプロジェクトです。

2021年も、しまくとぅば継承の目的に向けた取組を市民のみなさんに提供します。

一般のみなさまに開かれたシンポジウム・鼎談・講座・ワークショップを開催しています。年齢は関係ありません。

今年から始まる宮古島での講座は、宮古語に関心のある宮古地域在住の市民を対象としています。

また、鼎談は、現代的な話題をウチナーグチで議論するので、ある程度のウチナーグチ理解者が対象ですが、ウチナーグチの理解力を必須とするものではありません。

シンポジウムは「文法教材を言語継承に生かす」を計画中です。しまくとぅばの研究の成果を言語継承の現場に還元しようとする取組を考える内容になる予定です。戦争体験者による映像「しまくとぅばで語る戦世」の上映会、慰霊の日関連シンポジウム「戦後世代に何を継承させるか」、しまくとぅば鼎談(4回)、「諺で学ぶみゃーくふつ入門」(4回)、「しまくとぅばライティング」(3回)、「ワークショップ:新しい話者になろう!」(1回)、「シマクトゥバの教材・教具をつくろう」(9回)、「ミャークフツの教材・教具をつくろう」(6回)も計画中です。特に、最後の事業は、宮古島で行う初めての試みです。

We invite everyone who is interested in learning languages/dialects/speech varieties of the Ryukyus. We have symposiums, lectures, workshops, round tables for citizens of every age group. This year we have our first events on Miyako island for people who live on Miyako. Also, for a round table, we discuss various issues only in Okinawan. Round tables are, thus, for people with skills to understand basic Okinawan (although passive skill of Okinawan is not required).

小浜島にて

これまでの歴史

history of this project

本プロジェクトは、沖縄県立博物館・美術館の指定管理組織・文化の杜企業体の実施するしまくとぅば普及継承事業を支えるボランティアとして2008年4月に活動を開始しました。

2017年度からは、沖縄美ら島財団が沖縄県立博物館・美術館の指定管理組織となったことを受け、引き続き美ら島財団と協力して活動を継続し、通算11年の間に多くの実績を残しました。

2019年3月末で美ら島財団のしまくとぅば普及継承事業が打ち切られたのを機に、会員組織としての「しまくとぅばプロジェクト」を立ち上げ、2019年度からは独自の活動としてしまくとぅばの普及、継承、啓蒙活動を実施しています。

2020年度は新型コロナ禍にもかかわらず、みなさんの協力のもと、いくつかの事業を実施することができました。

10以上継続してきたことで、本プロジェクトの活動は一般市民に広く周知されてきました。「継続は力なり」の言葉が示す通り、本プロジェクトの活動の継続こそがしまくとぅばの普及・継承の活動に大きな効果を発揮すると考えています。

コロナ禍の中でも啓発的活動を持続させることによって、しまくとぅば継承の重要性を市民に再認識させることも大切な目的だと考えています。

これからもよろしくお願いします。