#GivingCampaign 連載企画
「部員が40人もいるなんて、すごいね」 ありがたいことに、私たちはよくそう言われる。確かに、40人という仲間たちの存在は、私たちの何よりの力だ。しかし、それは同時に一つの大きな課題でもあった。
大人数のサークルには、特有の難しさが存在する。「全国大会で優勝したい」と燃える者もいれば、「仲間と楽しく何かを作ってみたい」と願う者もいる。その熱量の差は、時に組織の推進力を鈍らせる。一部の人間だけが活動の中心となり、多くのメンバーが「その他大勢」になってしまう。そんな光景を、私は他の多くの組織で見てきた。
どうすれば、40人全員がこのサークルの主役になれるのか? どうすれば、一人ひとりの「創りたい」という火を、絶やさずに燃やし続けられるのか?
設立以来、私はその問いにずっと向き合ってきた。
私たちの答えは、サークルを「一つの大きな船」ではなく、「無数の小舟からなる艦隊」として捉える、発想の転換であった。それが「プロジェクト体制」である。
これは、誰でも「これがやりたい!」という想いを元に、自らがリーダーとなって仲間を集め、「プロジェクト」という名の「小舟」を立ち上げられる仕組みだ。
例えば、私たちの挑戦の一つが、このキャチロボの機体だ。全国の舞台を目指し、多くのメンバーが知恵を出し合って作り上げる。
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また、全く異なる挑戦として、ロケット開発プロジェクトも活発に活動している。これもまた、私たちの誇るべき活動の柱の一つだ。
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そして、これら全ての挑戦を支えているのが、メンバーが自主的に開催する勉強会である。誰かが講師となり、CADやプログラミングを教え合う。この文化こそが、私たちの強さの源泉なのだ。
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そして、多くのプロジェクトの始まりは、いつだってこんな風景だ。数人のメンバーがPCを囲み、「こんなものを作ってみたい」と夢を語り合う。ここから、次の新しい挑戦が生まれていく。
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このように、メンバーは自分の熱量や興味に合わせて、乗る船を自由に選び、あるいは自分で船を創り出すことさえできる。これにより、全てのメンバーに「自分の居場所」と「自分が主役である」という意識が生まれるのだ。
この体制が生んだ最も象徴的な例が、ロケットプロジェクトである。
全ては「モデルロケットで大会に出てみたい」という、ささやかな、しかし純粋な一人のメンバーの熱意から始まった。当初は知識を持つ者など一人もいなかったが、その小さな「小舟」は仲間を集め、勉強会を重ね、見事に「種子島ロケットコンテスト」への出場権を勝ち取ったのだ。
もちろん、今も私たちのロケット開発の主軸はモデルロケットである。しかし、そこで得た自信と経験は、私たちを次なる挑戦へと駆り立てた。それが、さらに高度な技術を要する「ハイブリッドロケット」の開発だ。
小さな挑戦が成功体験となり、より大きな次なる挑戦へと繋がっていく。これも、小さな熱狂を尊重し、その成長を後押しする「プロジェクト体制」があったからこそ生まれた、必然の進化なのである。
私たちがこのGiving Campaignで集めたいのは、「大きな船」を豪華にするための資金ではない。この艦隊に所属する「無数の小舟」それぞれが、挑戦という航海に出るための「燃料」なのだ。
この支援があれば、今はまだ誰も想像していないような、新しいプロジェクトの「小舟」が、次々と大海原へと漕ぎ出していく。その光景こそが、私たちが夢見るサークルの未来像だ。
この艦隊の未来を、どうか応援してほしい。
▼私たちの艦隊の、未来の燃料となる一票を。
▼明日の予告 第3話では、私たちの原点であり、最も熱い物語の一つ、「【挑戦】ゼロから全国の舞台へ」をお届けする。