記憶の哲学に関して
それらの展開の仕方、議論の可能性について模索し研究活動を行う。
私たちの記憶は、単なる過去の記録ではありません。それは現在の自己を形作り、未来への志向を支える根源的な営みです。本研究会では、「記憶」を哲学的に問うために、現象学・分析哲学・心の哲学・認識論といった諸アプローチを横断しながら、詩や小説、絵画作品の分析や、身体性・集合性・物語性といった多層的観点から議論を行います。参加メンバーの得意分野に応じて調査報告や考察を行います。
特に、今学期は以下のテーマに焦点を当てます:
集合的記憶と文化的表象:歴史や物語はいかにして共同体の記憶を形成し、またそれを視覚化するのか。
芸術と記憶:文学や絵画は記憶の働きをいかに表現・変形・伝達するのか。
身体と記憶:記憶はどのように身体に沈潜し、現在の知覚や行動と関わっているのか。
時間と自己:エピソード記憶や自伝的記憶はいかにして自己の統一性と時間的連続性を支えているのか。
本研究会は、専門的研究に携わる方々のみならず、「記憶」に関心を持つすべての方に開かれています。哲学と芸術、個人と社会、感覚と物語が交差するこの場で、記憶をめぐる多様な思考の地平をともに探究しましょう。
記憶の哲学の最前線の研究者である平井靖史教授をお招きし、フランスの思想家における記憶という概念の扱いについて確認する。
プルースト研究者である福田桃子先生をお招きし、芸術作品のモチーフ解釈における集合的記憶について確認する。
プロジェクトについて、詳しくは主催:久保田はな [lt1245hh@ed.ritsumei.ac.jp] までお問い合わせください。
要旨等の公開は9月初旬を予定しています。
立命館大学キャリアパス推進室 研究会活動支援制度
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