私たちの研究グループでは、大学院生の受け入れが可能です。京都大学理学研究科・地球惑星科学専攻の協力講座になっていますので、同専攻の入学試験を受検してください。入学試験の例年の実施時期は8月上旬です。入試に関する詳しい情報は、専攻のホームページで確認して下さい。過去問の入手に関する情報も掲載されており、試験勉強に活用できます。
また、京都や東京において、私たちの研究グループの内容の紹介を含めた同専攻の入試説明会も実施されています。次年度入学に向けたオンライン説明会も開催されますので、奮ってご参加下さい。
・京都大学大学院理学研究科・地球惑星科学専攻のホームページ : http://www.eps.sci.kyoto-u.ac.jp/
・大学院入試の情報 : https://www.eps.sci.kyoto-u.ac.jp/education-md/exam-m/index.html
大学院生の学生生活をおおまかにお知らせします。
大学院での講義: 前期(4 – 7月)と後期(10 – 1月)に分かれています。宇治キャンパスや吉田キャンパスで講義を受講します。ちなみに、高橋が担当している理学研究科・地球惑星科学専攻の大学院講義は、大気圏物理学、宇宙地球化学のほか、フィールド実習スタイルの多階層地球惑星変動論実習などです。大学院生は、希望すれば、学部生向けの基礎的な講義を受講することも可能です。
修士論文や博士論文の執筆: 修士論文の提出は通常1月下旬締め切りで、口頭発表会は2月上旬です。
グループセミナー: 自身の研究課題の進捗報告や、学術雑誌に掲載された論文の紹介など。海外や国内から訪れたゲストによる特別セミナーの場合もあります。
その他のセミナー: 生存圏研究所にある大気系の3つのグループが合同で月例の「大気圏科学セミナー」を開催しています。
日々の研究活動:「研究内容」のタブでも紹介したとおり、私たちの研究室では、積極的にフィールドへ出かけます。滋賀県の国有林の中、大阪府の人口密集地などです。海外に出かけることもあります。滋賀県の国有林では、京都大学農学研究科の研究グループが管理しているサイトで研究を行っています。長靴を履いて山道を昇り降りしながら、物質計測を行ったり、無人運転しているシステムで観測したデータのバックアップなどを行います。ヘルメットと安全ベルトを身に付けて、30メートルくらいあるタワーに昇ることもあります。森林での野外調査のことを、“泥んこ遊び”と呼んでいます。実際、フィールドで作業をしているときに、子供の頃の泥んこ遊びの記憶が蘇ることもあります。大阪府の人口密集地は、堺市です。大阪公立大学の研究グループと共同で研究を行っています。蚊もダニもいないので、森林に行くよりは当然快適なのですが、いいことばかりでもありません。エアコンの効いた研究室では知りえないリアルな世界をヒトの感覚でセンシングする、それがフィールドワークの醍醐味です。詳しいことは、高橋までお訊ねください。
見学は随時受け付けています。見学を希望される方は、事前にメールで高橋に連絡を取り、日時を調整して下さい。
高橋のメールアドレス:takahashi.kenshi.2v(アットマーク)kyoto-u.ac.jp
大学院の研究室選びをしている学生の方から、「これまでの研究内容と違った内容の研究を行っている研究室を志望する」ことについての不安のご相談を頂くことがあります。一概には言えない面もありますが、高橋は以下のように考えます。『好きこそ物の上手なれ』という言葉があります。私たちの研究室で行っている研究に関連する講義を履修してこなかったとしても、興味という原動力があれば、これから勉強して身に付けることができると思います。もちろん、相応の努力は必要だとは思います。しかし、研究活動というものは、それ自体は意外と地味であり(と思います)、決して平たんではない山道を一歩一歩地面を踏みしめながら登っていくようなものなので、山歩きをするための基礎体力をつけるのが勉強に相当するのだと思えばよいでしょう。結局のところ、そうやってコツコツと取り組むのが最善と言えると思います。まさに、学問に王道なし! 幸いにして、和洋含めて優れた教科書が手に入る時代なので、結局のところ『好きこそ物の上手なれ』ということになるかなと思います。山の頂からの景色を眺めてみたい、そのための日々のトレーニングを怠らない(もしくは、これからは怠けないようにしようと意を決している)人は、新しい研究分野に飛び込んでも意外と成るように成るものです。その意味では、「為せば成る!」という気持ちを強くもって、ある種の楽観的な姿勢で新しい研究室へ飛び込むのも、強ち間違いではないかもしれません。